2012年10月26日

テスペランサ・ドゥ・ココ10

顔面への横薙ぎ。

<速い!>

後ろへかわすが額をかすめる。
そのまま右上からの袈裟懸け。
切っ先をぎりぎりでかわす。

キリアンの連続攻撃。

左下からの斬上げ。
<くっ! 足がついてこない!!>
鉄扇でなんとか防ぐ。

「ほう、なかなか頑張るな。
 身体能力は半減しているというのに、俺の剣技をかわすとはな。
 しかし、どこまで耐えられるかな?」

キリアンがからかうように言う。

「ご心配ありがとう♪
 でも心配してくれるんなら、もっと手加減してよ♪」
クレッセントがウィンクする。
「ずいぶん、手ぇ抜いてやってんだがなぁ」

キリアンの鋭い突き。
「うっ・・・」
ぎりぎりでよける。

<本当に身体能力が半減されているの? 身体が思うように動かない!!>

そこから強烈な連続攻撃。
「くっ!」
鉄扇と右手甲で受け流す。

クレッセントが少しバランスを崩す。
「ふん、そろろろ足がおぼつかなくなってきているぞ」
キリアンが余裕げな顔で言う。

クレッセントが鉄扇を開き、構える。
その影で、指を3本立てた。

「そろそろ、トドメといこうか? お嬢さん」
キリアンが深い攻撃態勢をとる。

その刹那、一陣の風が襲い掛かる。
キリアンが気づきサーベルを構える。

なんとその反対側から鋭い突きがキリアンに炸裂!

瞬時に振り返るキリアンの左胸を直撃。

大きく吹っ飛ぶ。

大地に足を強く突きたて、衝撃を相殺するキリアン。
それでも止まるまでには大きく地面を滑った。

「くっ! 貴様!!」

長い黒髪に、透き通るような白い肌。
筋の通った鼻に、形の良い唇。
白い騎士装束が、その長身に映える。

メルローズだ。

メルローズ02.jpg

攻撃態勢をとり続けるも、胸の傷を押えて動けないキリアン。

そのキリアンに向けて、メルローズが再び突きの構えをとる。
遠距離から射抜く強力な突き、彼女の得意技だ。
黒い髪に光が戯れ、青く光る。

ビーン!
ビーン!
ビーン!

別の方角から目にも留まらない攻撃。
メルローズがすぐさまかわす。

「メルローズ、気をつけて! 3人いるわ!」
「えぇ、分かってる」

襲い掛かる無数の弾丸。
サーベルで弾きながら、大きく後ろへ下がるメルローズ。

キリアンとの間に敵2人が割り込む。

「大丈夫か、キリアン?」
1人が彼に駆け寄る。
「あぁ、ニキ。大丈夫だ。
 セラ、気をつけろ!
 新顔を近づけるな。
 そいつの突きは、並じゃないぞ!」
「分かってるわ・・・」

<分かってる・・・あの傷
 キリアンの装甲障壁はうちでも最強レベル。
 フリオと肩を並べるはず。
 その下には極限まで強化した胸当てもしているのよ>

セラがゆっくりとメルローズの方に足を進みる。
じりじりと退く、メルローズ。
ニキがキリアンに応急処置をほどこす。
クレッセントがセラの横に回り込む。

<キリアンの敵に対する能力阻害は
 半径約20メートルで効いているはず。
 身体能力を半減されて、まだこの破壊力なのか?
 なんて奴だ!>

両手を下げなんの構えもとらず、進んでくるセラ。
メルローズが深く突きの構えをとる。
クレッセントもリンガを構える。

セラの両親指がわずかに動いた。

ビーン!
ビーン!
ビーン!

無数の弾丸が再びメルローズとクレッセントを襲う。
セラの親指が高速で弾丸を打ち出す。

メルローズが大きく後退しサーベルではじく。
クレッセントも鉄扇で防ぎながら、下がる。
「メルローズ、退くわ! ついてきて!」
「了解!」

逃げる2人を見て、追いかけようとするキリアン。
「キリアン、まず応急処置だ!」
ニキがそれを押える。
「バ、バカを言うな! すぐ追え!」
「貴方こそ何を言うの! 
 こんな傷で彼女達を追っても・・・
 今は応急処置よ。 
 ニキ、キリアンを頼むわ」
「分かってる。セナ」
ニキがキリアンの服を脱がせ
傷口を確認する。
「くっ・・・奴等、必ずぶっ殺す!」
息巻くキリアン。
「大丈夫、すぐ戦えるようにしてあげるから」
「た、頼む・・・ニキ」

「私は彼女達の感知に専念するわ」
セナが目を閉じ、感知に入った。

「おぉ、頼むぜセナ!
 応急処置がすんだらすぐ出発だ!」

<運動能力だけでなく、精神能力も半減しているはず。
 この効果はすぐには消えない、今日一日はもつわ。
 前回のような感知ジャミングで逃げ切ることはできない。
 私達の感知から逃れることはできないわ>


☆GL Search☆

☆人気のブログ☆





posted by Jiji at 10:54 | TrackBack(0) | テスペランサ・ドゥ・ココ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月27日

  テスペランサ・ドゥ・ココ11

感じる
感じる

監視されてる!?

いや、感知されてる!

もう、私の家まで探し出しているの?
ヴァンガドーラ
なんて強力な能力者の集団なの?

ひっそりと街角に身を隠し、クレッセントが自宅をうかがう。

今日は確か
彼女が来る日。

どうやって、連絡しよう?

こちらから、会いに行く?

だめだ、何かあったとき私の軌道がトレースされる。
私が訪れた場所を襲ってくるかもしれない。
ギルドにも寄れないわ。

<クレス!>

<!>
誰かがクレッセントにささやいた。

声の主を探す。
<いた! 隣のブロック>

「どういうこと、これは?」
「メルローズ、会いに来てくれたの?」
「今日は、いつもの監視日でしょう?
 貴女がきちんと異端審問の職務をまっとうしているかどうか、チェックしに来たのよ」
「待っていたのよ、メルローズ。来てくれると思っていた」
「随分なご歓迎ね、クレス」
うれしそうにメルローズが微笑む。
「それよりも何、この監視体制は?
 私以外にも監視されてるの、貴女?
 貴女の家に強力な感知の枝がついているわよ」
「そうなの。それでメルローズ、貴女にちょっと相談があって・・・」
クレッセントの顎に指を添え上を向かせる。
「あら、貴女から相談なんて珍しいわね」
目を細めて、セクシーに微笑むメルローズ。

----------

「クレス、どこまで行くの? もうここはランシルバニアよ」
「うん、確かこのあたりだと思うんだけど・・・」
木に隠れ、慎重にあたりを見渡すクレッセント。
「奴等がすぐそこまで来てるわ」
メルローズが小声で話す。

「・・・い、いたわ! 来て!」

木々を飛び越え、石畳に出た。
垣根に囲まれた、長い長い石の道。
遠くに大きな屋敷が見える。

「あら、クレッセントじゃない?
 お久しぶりね。
 今度会いに行こうと思ってたのよ。
 手間が省けたわ」
そこには、メイドが立っていた。
黒いドレスに盛りたくさんの白いレース。
真っ黒な髪に真っ白な顔、そして真っ赤な唇。

ドゥ・パーツだ。

左肩には気絶した少女を抱えている。
屋敷に新しい獲物を連れて行く最中のようだ。
「あら、とっても素敵な娘も連れてきてくれたのね。
 うれしいわ。
 ご主人様もお待ちかねよ。
 いらっしゃい、クレッセント」
ドゥ・パーツが妖しく微笑む。
「ち、違うのよ、ドゥ・パーツ。
 貴女に会いに来たのは確かなんだけど・・・」
「まぁ、感激だわ!
 リザと一緒に滅茶苦茶にしてあげる♪」
「よ・呼び捨てなの・・・ご・ご主人様を?」
話をなんとか逸らしたいクレッセント。
「ご主人様が、リザと呼ぶようにってうるさいのよ♪
 さ、早くいらっしゃい」
笑顔で右手を差し出すドゥ・パーツ。

思わず歩み寄りそうになる。

<これだ、この衝動。
 甘い蜜のような誘惑。
 耐えろ! 耐えろ!>

「ちょっと、しつこい奴に追われているの・・・それで」
ドゥ・パーツの背後で物音がした。

キリアンだ。

「見つけたぜ、もう逃がしゃしねぇ!」
サーベルを抜く、キリアン。
ニキもいる。

ドゥ・パーツが、ゆっくりと振り返る。

「しつこい、奴?」
キリアンを指差して尋ねる。

「えぇ、そう」
クレッセントが答える。

「おいメイド、死にたくなかったらそこどきな!
 俺達はねぇちゃんの後ろの奴等に用があるんだ」

目にも留まらぬ速さでドゥ・パーツがキリアンに襲い掛かる。
一瞬にして消え、と同時にキリアンの背後に出現。

ドゥパーツ03.jpg

ギーン!!

折れたサーベルが石畳に突き刺さった。

鈍い音がして、大きな黒い物体が地面に落ちる。

キリアンの頭部だ。

へなへなと腰を抜かし、石畳に倒れ込むニキ。
ドゥ・パーツが、少女を抱えたままゆっくりと歩み寄る。
妖しく微笑みながら、震え上がるニキの顎を捉た。
そして、立ち上がらせる。
「あ・・・あぁ・・・」
ぶるぶる震えるニキ。
「うん、可愛いわ。貴女、合格」
ニキの口に真っ赤な唇を重ねるドゥ・パーツ。

「あ・・・うっ・・・ん」

極限の恐怖と興奮状態だったニキが、失神した。

「それじゃぁ、行きましょうか。クレッセント・・・」
ドゥ・パーツがクレッセントの方を振り返る。

「あら、いない・・・
 逃げたわね?」

ニキを左肩に抱える。

「ま、いっか。
 2人いればリザも悦ぶわ」


☆GL Search☆

☆人気のブログ☆



posted by Jiji at 05:08 | TrackBack(0) | テスペランサ・ドゥ・ココ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月28日

テスペランサ・ドゥ・ココ12

<この教会か?
 考えたな、ここならサンタンフェロ祭へもランシルバニアへも行きやすい>
ル・ボーンの向かう先に、古びた教会がそびえ立つ。

「ミラからの報告では、あとヴァンガドーラ2名も倒したらしいしな」
ル・ボーンが退魔団員に語りかける。
「すごいですね、隠れているだけかと思ってたのに。まさか、反撃をくわえているなんて」
「あのヴァンガドーラを、3人も・・・よく倒せましたね。驚きです」
「どれだけ強いんだ、彼女は?」

<確かに、信じられん。
 1人目の時もそうだ。まさかあんな怪物を倒せるとは想像もしなかった。
 そして今回は2人も倒している。
 そのうちの1人は、初回にあの怪物と一緒に暴れていた剣士だ。
 奴の腕も相当なものだった>

教会の中に入る。

礼拝堂の入り口付近に、シスターが2人いた。
<この教会は、女子修道会系なのかな?
 にしても、やけに派手なシスターだな>
ル・ボーンに気づいて彼女達が近づいてきた。
「おぉっ、綺麗なシスターですね」
「うわっほんとだ、すっごい美人」
美しきシスターを見て喜ぶ団員達。
<うん、なかなかのもんだな・・・目の保養になる>
ル・ボーンも、ついつい目じりが下がる。

<!って! この服?・・・教団じゃねぇ!!>
たじろぐ、ル・ボーン。
<聖教会だ! お、おまけに、こいつっ!!>

「お久しぶりね、ブラザー・ル・ボーン」

ミディア03.jpg

「ミッ! ミッ! ミ・ディア!!」

思わず後ろへ飛び退くル・ボーン。

<ニコールもいる!>
バナートでの記憶がいやでも蘇る。
<ど、どうして・・・どうして、こいつらがここにいる?>
あたふたするル・ボーンを見て、顔を見合わせる団員達。

<あの最終局面。
 俺達退魔団に雷を落としたのが、マティアス!
 突入してきた連合の特殊部隊を教会ごと吹っ飛ばしたのが、ミディアだ!
 退魔団と連合が一瞬にして壊滅した・・・
 見かけは天使のような美しさだが、
 中身は悪鬼!
 全員、化け物だ!!>

「こ、これは・・・、ごぶさたしております。シスターミディア、シスターニコール」

<よりによって、なぜその化け物どもがここにいる?>

団員の1人が何か気づいたようだ。
「あっ、その制服・・・?
 だ、団長! このシスター達は・・・」
「そ・それ以上、しゃべるな!
 語るな!
 質問するなっ!
 これは命令だ!
 いいか、わかったな!!」
「は、はい・・・」
「わかりました!」
と言いつつも、いぶかしがる団員達。

<ど、どうする?
 こいつら異端なだけでなく、悪魔崇拝者、邪教徒だぞ。隠し通せるのか?>

「シ、シスター・ミディア、な・なぜここに?」
「えぇ、クレッセントに頼まれて。ミラを守る依頼を受けたんです」
「クレスが?」
<あんの、バ・カ・め・が・ぁ!
 余計な心配、増やしやがって!
 と・とにかく、教団関係者を遠避けねば・・・>

「せ、聖教会だよな・・・」
「そうだ、間違いない。い、異端だ」
「は、初めて見た。本物の異端・・・」
「おい、異端と会話したら火炙りになるぞ」
「そんなこと言ったって、団長は話してるぜ」
「団長はいいんだよ。自分で自分の身を守れるから。俺達はそうはいかないんだよ」
「にしても、なんて綺麗な異端なんだ?」
「本物の異端は、みんな魅力的らしいぞ」
「馬鹿、あれで俺達を惑わせるんだ。気をつけろ!」
小声でこそこそと、好き放題話す団員達。
「お・俺はちょっと、団長と一緒に彼女達と話してくる」
「やめろ、火炙りにされるぞ」
「火炙りは怖いが、どうせヴァンガドーラと戦えば、生きては帰れまい。火炙りになる前に殉教さ」
「そ、それもそうだなぁ」
「それに俺の国オーマでは、女性を見たら必ず話しかけろってな。法律できまってんだ♪」
「そうだったな♪ 俺も行くぞ!」

団長を押しのけて、美しきシスターに群がる団員達。

<こ・こいつら、俺の命令は無視かよ・・・>
頭の混乱を未だに収拾できないル・ボーン。

「まぁ、お上手ですこと・・・ふふふふふ」
ミディアが両手をあわせて、天使のように微笑む。
<おいおい、猫かぶりか?>
「いえ本当ですよ。私の国にも美人は多いが、貴女達ほど綺麗な女性は見たことがない」
「そうです。教団にもシスターは大勢いますが、こんな美しいシスターと出会ったことはありません!」
「まぁ♪ 本当に修道士様ですの? 私、俗世のジゴロかカサノバに口説かれているみたいですわ」
<ジゴロもカサノバも、まだいねぇって!>
「私は修道士である前に、オーマ人ですから!」
<・・・仕方ないか、こいつらの半分以上はオーマ人。
 女性は褒めて褒めて、褒めたおす・・・子供のころから、そう教えられてきたもんなぁ>
「いや、本当! こんなに美しいシスターは教団にはいませんよ」
<しかしお前ら、実際にこの悪鬼どもの本性を見たら・・・金玉、へそまでめりこむぞぉ!>

にやにやしながら傍観していたル・ボーンだが、ふとわれに返り・・・
<いや、それどころじゃない!
 どうしたらいいんだ?
 冷静になれ、一から確認するんだ。
 我々の目的はサンタンフェロ祭における、ヴァンガドーラの教団幹部暗殺阻止。
 俺の現在の目標は、カバリエレ・ディ・ジュスティツィア(正義の騎士)の有効かつ効率的な運営。
 そしてこの部隊をもって、ヴァンガドーラを撃つ>

「まぁ、騒がしいと思ったらカーディナル。来られてたんですね?」

<そこにこともあろうことか、異端が混じってきた。
 しかもこの異端は邪教徒の上に、超がつくほどの化け物だ・・・>

「カーディナル!! 聞こえてますか?」
「わっ! クレッセント」
「こんなところで油を売ってないで、こちらへどうぞ」
クレッセントに招かれるまま、大広間へ入っていく。

「ミディアとニコールのご紹介は、もう終わっているようですね?」
「あ、あぁ」
ふんずけられた、足が痛い。
「では、こちらが」
クレッセントが手を差し伸べる先に真っ白な騎士装束に身を包む、背の高い女性がいる。
「セイレン騎士団の・・・」

メルローズ01.jpg

「メルローズと申します。以後お見知りおきを」
颯爽と騎士の礼をとるメルローズ。
「おぉぉぉぉ!」
団員達の目が釘付けになる。
<メルローズ!
 セイレン騎士団といえば、
 数ある教団の騎士団の中にあって
 東部方面、最強と称される騎士団だ。
 異教徒を威圧し、
 戦いとなれば真っ先に突撃
 そして制圧する
 教団の最精鋭部隊。
 そこのナンバー2か!!>
ル・ボーンもメルローズに釘付けだ。

「セイレン騎士団・・・って、
 確かサンフランチェスカ女子修道会、ホスピタル騎士団ですよね?」
団員の1人が尋ねる。
「女子修道会ってことは・・・シスターですか?」
「えぇ、所属はサンフランチェスカ女子修道会です」
メルローズが笑顔で答える。
「おぉぉぉ!」
感嘆の声をもらす団員達。
「そら見ろ!
 教団にだって、超美人のシスターはいるんだっ!!」
ル・ボーンが挑戦的にミディアを見る。
「いえいえ。私なんか、シスター・メルローズの足元にも及びませんわ♪」
あいもかわらずミディアは、マティアス譲りの天使の微笑み。

ル・ボーン<どこまで猫かぶるつもりだぁ?>

メルローズ<よく言うわ・・・その態度の豹変ぶりは何?>

メルローズとミディアの視線に

火花散る。


ル・ボーンもミディアをにらんではいるが

こちらは、

無視されてるみたいだ。


☆GL Search☆

☆人気のブログ☆



posted by Jiji at 13:34 | TrackBack(0) | テスペランサ・ドゥ・ココ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月30日

テスペランサ・ドゥ・ココ13

「で、何、この女?」
街角で聖教会のシスターが、教団の騎士にからむ。

「私の女に、何ちょっかい出してんの?」
柄の悪いシスターのようだ。
騎士を、じろじろ見回しながら言う。
上から下まで舐め回すような濃厚な視線だ。

ヴァンガドーラからの感知を避け、なんとかメルローズと合流。
これから戦線へと向かう途中に、ミディアとニコールに遭遇した。

「あっ、クレス。
 ちょうど良かったわ。
 今から貴女の家へ行くつもりだったの」
笑顔で駆け寄ってくるミディア。
「ミ、ミディア!」
感知系のニコールもいる。
対ヴァンガドーラ戦を前に、
ミディア達に偶然会えたことは幸運の女神からのプレゼントではないかと心から喜んだが、
すぐに大きな不安に襲われた。
クレッセントがSSと認めるミディアとメルローズ。
ニコールも間違いなくSランク以上だが、問題はミディアとメルローズだ。
ミディアはエセ(偽り)ではあるが一応聖教会員で、メルローズはバリバリの教団員。
その上ミディアは邪教ともいえる、悪魔崇拝者の可能性もある。
女性に対する嗜好は同じでも、それ以外は全く相容れない立場だ。
色で言えば、黒と白。
道徳で言えば、悪と善。
職業で言えば、ちんぴらと警官。

「で、何、この女?」
いきなりミディアが口火を切った。

「あっ、こ・こちらはセイレン騎士団のメルローズって言うの。
 ちょっと困ったことがあって、依頼を受けてもらったの」
クレッセントの言葉なんか聞いてはいないとばかりに、ミディアが続ける。
「一目見て分かるわ。
 この女はひぃひぃ言いながら私の前に這いつくばり、
 私の奴隷になる女だわ」
「・・・」
あっけにとられていたメルローズが、失礼なミディアをにらむ。
「ふん、にらんだ顔も上品でとてもいいわね。
 クレス以来の上玉だわ。
 巨大な張形をぶちこんで、女の汁をたっぷり搾り出してあげる」
あまりにも唐突で淫らな言葉遣いに、さすがのメルローズも目を白黒させる。
「腰を振りながら、肉汁を撒き散らす姿が目に浮かぶわ」
調子に乗ってどんどん続けるミディア。
「淫らな体液を垂れ流しながら、
 私の性器を舐めさせて欲しいって、膝まずくのよ。
 いやらしい奴隷女」
そう言えば、いかにHに言葉を表現するか・・・ミディアの趣味でもあった。
「なんて下品な女!
 貴女こそ私の奴隷にしてやるって言おうと思ったけれど、
 貴女のような下劣な女には奴隷ですらもったいないわ。
 話すのも、触れるのもおぞましい。
 その品位にふさわしく、私・専用の・べ・ん・き・にしてあげる。
 毎日毎日その淫乱なお口で、用を足してあげるわ」
我慢していたメルローズがついに怒った。

「ふん、結構言うじゃない。ここで決着つけるか!」
ミディアが挑む。
「望むところだわ!」
それをメルローズが受ける。

不安は的中。
ミディアがメルローズのような美形をほっとくはずがない。
力でねじ伏せて、拉致する気だ。

「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って!
 私達はこれから、すごくやっかいな敵と戦わなければならないの。
 ミディアにも助けて欲しい。
 一緒に来て。
 直接メルローズと戦わなくても、そいつらと戦えばどっちが強いかすぐ分かるわ。
 お願いミディア、私を助けて」
「愛奴の分際で、私達の勝負に割り込むなんてどういう了見なの、クレス!」
「お願いミディア、私を助けて。お願いよ・・・」
誘惑波動も全開!

なんとかミディアをなだめ、彼女にも依頼を受けてもらった。
2人の決着は、依頼完了後ということで落ち着いた。

「いいわ、決着は依頼が済んだらつけましょう。
 私の性器をむさぼるだけの奴隷にしてやるわ」
「今からせいぜい練習しておくことね。
 粗相したらきついお仕置きが待ってるわよ、私の便器♪」

ミディアの、性器をむさぼるだけの奴隷?
メルローズの、専用便器?
2人の言い争いを聞きながら、顔を赤らめドキドキしてるクレッセント。
一番卑猥なのは、クレッセントかもしれない♪

気がかりはもう1つある。

ミディアとニコールの2人は、狩りの帰りなのか、それぞれが滑車の付いたケースを引いていた。
ケースが空ではなく中身が入っていることは一目瞭然だ。
拉致してきた少女を小さく折りたたんで詰め込んでいるのだろう。

少女071.jpg

ミディアの好みは美しく可憐な少女。
可愛そうな少女は、美しく生まれてきたというだけで、彼女達に拉致され、陵辱される。
このレズビアンサディスト達の肉欲を満たすために、ただただ犯され続けるのだ。
もう二度と家に帰ることはできない。
来る日も来る日もその無垢な肉体を弄ばれ、
のたうち、喘ぎ、そしてその短い人生を閉じるのだろうか。

今回の依頼で、少女達が開放されればと期待したが甘かった。
この町には処分屋と言われる者達がいて、宅配も請け負う。

少女達はそのまま、

美しく淫らなシスター達が集う修道会へと、送られていった。

彼女達の尽きぬ性欲を満たす、愛玩用の奴隷として。


☆Best Site Ranking☆

☆GL Search☆

☆人気のブログ☆



posted by Jiji at 11:38 | TrackBack(0) | テスペランサ・ドゥ・ココ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
魔女達の刻
 01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
 11  12  13  14  15  16  17  18  19  20
ベイムート伯爵の怨念
 01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
 11  12  13  14  15  16  17  18  19  20
 21  22  23  24  25  26  27  28  29  30
 31  32  33  34  35
テスペランサ・ドゥ・ココ
 01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
 11  12  13  14  15  16  17  18  19  20
 21  22  23  24  25  26  27
外伝
 01  02  03  04  05
 1:ポロネーゼ婦人 2:エヴァンゼリン 3:妖精の森
 4:伝道 5:美しきオブジェ

白い薔薇の淵まで
中山 可穂
ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。

深爪
中山 可穂
翻訳家のなつめは、人妻・吹雪と激しい恋に落ちる。吹雪の家で逢瀬を重ね、子供の昼寝の間に快楽をむさぼる日々。女同士の恋、家庭を壊すつもりなどなかったのに、会えば会うほど溺れてゆき、愛するがゆえに傷つけあわずにはいられない。

猫背の王子
中山 可穂
自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた―。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主宰する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りが・・・



感情教育
中山 可穂
前世から契りあった恋人はあなたですか?今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?那智と理緒。傷つくことにすら無器用な二人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。

サグラダ・ファミリア
聖家族
中山 可穂
将来を嘱望されながら、ある事件をきっかけに落ちぶれてしまったピアニスト響子。酒に溺れながら孤独に生きる彼女のもとに、かつて恋人だった透子が戻ってきた。赤ん坊を抱いて・・・

屋根裏の二處女
吉屋 信子
寄宿舎を舞台に、二人の“処女”の愛と尊厳を描き上げた吉屋信子の原点というべき小説。現代まで「禁断の書」として秘かに語り継がれた物語の全貌を、今、明らかにする。



花物語 上
吉屋 信子
少女の日の美しい友との想い出、両親を亡くした姉弟を襲った悲劇…花のように可憐な少女たちを繊細に綴った数々の感傷的な物語。世代を超えて乙女に支持され、女学生のバイブルと呼ばれた不朽の名作。

花物語 下
吉屋 信子
女学校中の憧れの的である下級生を思慕する少女、美しく志高い生徒と心通わせる女教師、実の妹に自らのすべてを捧げて尽くした姉…可憐に咲く花のような少女たちの儚い百合物語。

あなたがほしい je te veux
安達 千夏
友人の留美に対する同性愛の欲望を意識しながらも、男友達の小田との肉体関係を愉しむヒロイン・カナ。男とはHできるが、愛せない。女は愛せるが、Hは・・・



ナチュラル・ウーマン
松浦 理英子
女性と女性との恋愛物語。私はこの小説を書いたことを誇りに思う―著者。《定本》映画化決定。’80年代に孤立した輝きを放った女流文学賞作家の畸型的傑作。

蝶の眠り
柳田 有里
雨の歩道橋で深見笙子と出会った沙霧は、彼女の溌剌とした容姿や、輝くような個性の閃きに接するうち、彼女にほのかな恋情をおぼえるようになる・・・

秘密の花園
三浦 しをん
最初から、那由多だけは特別だった。一目惚れや運命の相手なんて信じはしないが、この学校の桜の木の下で彼女に初めて会ったとき、私は悟った・・・



雲南の妻
村田 喜代子
この契りは永遠に…。女が女を娶る。中国雲南の奥深い地で過ごした忘れ得ぬふたりの愛の生活。奇妙な同性婚、傑作長篇小説。

雨の塔
宮木 あや子 
四人の少女たちが織りなす愛と孤独の物語。資産家の娘だけが入れる特別な学校に「捨てられた」四人の少女たち。閉じた空間で生まれる愛情、執着、嫉妬。濃密で危うい感情の行く先は・・・

葬儀の日
松浦 理英子 
葬式に雇われて人前で泣く「泣き屋」とその好敵手「笑い屋」の不吉な〈愛〉を描くデビュー作はじめ3篇を収録。特異な感性と才気漲る筆致と構成によって、今日の松浦文学の原型を余すところなく示す幻の第一作品集。



私立カトレア学園
乙女は花に恋をする
沢城 利穂
乙女の園、私立カトレア学園の入学式。迷子になって泣いていた、ひなを助けてくれたのは『氷のプリンス』大城翼先輩。男子禁制の乙女の花園でひそやかに咲く、乙女たちの甘くて切ないスイート・ラブ。

ワイルドブーケ
花の咲かないこの世界で
駒尾 真子
自由恋愛が禁止され、結婚する相手も国家によって管理される世界。国王の嫁となるべく定められた美貌の姫君デェリアナと姫のお世話をするメイドのジョーゼットとの素敵な恋愛物語。

ワイルドブーケ
想いを綴る花の名は
駒尾 真子
「大好きな人とずっと一緒にいたい」、そのためだけにすべてを捨てて、見知らぬ世界へと旅立った二人の少女ジョーゼットとデェリアナ。その後の2人に降りかかる事件とは・・・。王道百合小説の第2弾!



偽りの姫は騎士と踊る
ダブル・エンゲージ
渡海 奈穂
父王を家臣に殺され、国を追われたディアナ姫。彼女を支えたのは、幼い頃から忠誠を尽くした女騎士・エフィだった。彼女への想いを募らせるディアナだが…素直になれない姫と誠実な女騎士との百合ファンタジー。

あまがみエメンタール
瑞智 士記
全寮制の小中高一貫校、青嵐女学院。外界から完全に隔離された少女たちの園で、ロリータファッションに身を包む少女・橘地莉子は今日も、ルームメイトである渡会心音の肌に歯を立てる。何年にもわたって続く二人だけの秘密の「儀式」…

PUPPY LOVE
鈴本紅:著 ひびき玲音:絵
同級生の知花がかわいくて仕方ない乃々子は、自他共に認める知花オタク。普通じゃない女子高生と普通な女子高生の、ラブコメ。



384,403km―
あなたを月にさらったら
向坂 氷緒:著 玄鉄絢:絵
美由紀は幼稚園以来9年間、理世にずっと片思い。別の小中学校に通う理世とは384,403km―月と地球の距離のように遠いと思っていた。でも・・・

どろぼうの名人
中里 十
私の名前は初雪。もうすぐ15歳になる。美しい古書店店主・川合愛は私を欲しがり、姉は彼女に私を差し出した。川合愛との不思議な生活。飽きられないように、愛し続けられるように。

どろぼうの名人サイドストーリー いたいけな主人
中里 十
私がお仕えする国王陛下は21歳の陸子様。私は陸子さまを愛し、陸子様も、きっと私を愛してくださっている。しかしある日、陸子さまのお側仕えに15歳の美少女緋沙子が登用された…。



君が僕を1
中里 十
昔はどこの商店街にもいたらしい商売繁盛の神様""恵まれさん""が、私の街のショッピングセンターに、復活。今度の"恵まれさん"はなんと中学三年生。気になる…気になる……好きになる?

. (period)
瑠璃 歩月
マフィアへの復讐に燃える女性警官・ビアンカは、警察への復讐に全てをかけるマフィアの手先・ニコラと運命的な出会いを果たす。相容れない者同士が闘いの中で互いを認め、惹かれ合っていく…。

みすてぃっく・あい
一柳 凪
冬休みの女子寮には、4人の美術部員しかいなかった。私たちはひたすらに戯れる―ピクニックをしたり、チェスをしたり、いっしょにお風呂に入ったり。でも2人に告白され、私は選ばなければいけない・・・



ストロベリー・パニック1〜3
公野 櫻子
乙女の聖域に秘められた恋…。シスター・プリンセスの公野櫻子氏が、正統派百合ノベルを華麗に書き下ろし。名門お嬢様学校である聖ミアトル女学園に編入した少女は・・・

クシエルの矢1〜3
ジャクリーン・ケアリー
天使の血をひく人々の国、テールダンジュ。ここでは、愛の営みは神への捧げ物である。少女フェードルは“クシエルの矢”と呼ばれる印をもって生まれ、人には言えない性癖があり、それゆえに数奇な運命をたどる…

蒼穹のカルマ1〜7
橘 公司
空で生き、人を襲う空獣(エア)が住む世界。空獣を狩る機関「蒼穹園騎士団」でカリスマ的人気を集める女騎士・鷹崎駆真。だが世界の平和を守るはずの騎士である彼女には、世界の平和より優先すべきことがあった…
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。