2014年11月25日

テスペランサ・ドゥ・ココ28

「レスリー司教、そちらは反対です。
 教団から派遣された精鋭部隊は中央広場に集結しています。
 それに今回は、ついに連合最強と言われる竜騎兵も投入されています。
 早くそっちへ向かわなないと危険です」
「いや、こっちでいいのです。
 ル・ボーン殿は西門、西広場の方にいるのでしょう?」
レスリー司教と呼ばれた男が言う。
「し、しかし・・・」

「私は今、ル・ボーン殿達に会いたいのです!」
レスリー司教が必死に叫ぶ。

「退魔団、ですか・・・?」

お互い顔を見合わせる護衛達。

「確かにこの状況では
 教団本部の指示に従い
 聖騎士団や連合騎兵団を信じるか
 退魔団を頼るかの
 大きな選択ではありますね・・・」
「裏の情報によれば
 前回ヴァンガドーラを撃滅したのは
 聖騎士団や連合騎兵団ではなく
 退魔団率いるカバリエレ・ディ・ジュスティツィア(正義の騎士)だったらしいからな」
「なんだそれ?」
「ギルド連合がアキア方面から徴収したバスター達らしい」
「アキアだと!
 ラ・ランシルバニアか・・・?」
「まさか、そうとは限らんだろう。
 奴らは邪教徒だ。
 我々教団に肩入れするはずがない」

「何をしていますか?
 早くいきましょう!」
レスリー司教が促す。

「わ・分かりました。
 退魔団の元に参りましょう。
 我々が必ずお守りいたします!」
「頼みますよ!」
ほっとしたようにレスリー司教が言う。

ひたすら西へと向かう一団。

----------

「次のターゲットは?」
2人目の標的を探すココ。
「強力なジャミングで、いまだ確認できません!」
即答するソフィア。
「我々の中で一番の感知力を誇る、ソフィアの能力を上回るジャミングなんて・・・」
「クレッセント・・・か、カンナ・・・
 いずれにせよ、こんな強力なジャミングは初めてだわ」

「西へ・・・西へ向かいましょう・・・」
予知能力を持ち合わせるロベルタの提案にしたがい
街の中央を離れ、西側を流れる川岸まで来た。

未だ、次のターゲットを感知できずにいるヴァンガドーラ達。

「・・・わずかですが、
 小規模なジャミングの痕跡があります・・・」
ソフィアが目を閉じたまま言う。
「なに?」
「西広場に向かって移動中です」
「罠・・・か?」
いぶかしげにココが言う。
感知を続けるソフィア。
「・・・いえ、おそらくアキアのバスター以外の者が、
 自分達にかけたジャミングだと思います」
静かに目を開く。
「間違いありません!」
断言するソフィア。
「よし、よくやった!」
ココが笑顔でほめる。
ちょっと頬を染め、うれしそうなソフィア。

<これほど強力な広域ジャミングがあるのに、素人がへたな小細工をするから発覚するんだ!>
ココがにやりと微笑む。

「行くぞ!」
ココの号令一下、飛ぶように移動するヴァンガドーラ。

----------

「おお、ル・ボーン殿!」
「レスリー司教!
 な・なんでこんなところこにいるのです?」
驚くル・ボーン。
「いや、君の顔が見たくて、見たくて。
 ここまで急いで来たんだよ」
安堵の為か満面の笑顔でル・ボーンに駆け寄るレスリー司教。

「さ、わたくしがお連れしましょう」
動揺しながらもル・ボーンが手を差し伸べる。

その瞬間、目の前に一団が現れた。

ココ率いるヴァンガドーラだ!

「くっ!」
ル・ボーンがレスリー司教を守るように敵に対峙する。

「退魔団団長・・・
 ル・ボーン」
ソフィアが小声で言う。

「・・・なんでも、お見通しってことか」
ル・ボーンが驚いたよって、ふりをしながら言う。

ココが戦闘態勢に入る。

「ココ、左前方!
 建物の影・・・」

ソフィアがココを制す。

「聖教会かっ!」
イリスが叫ぶ。

「ココ、気を付けろ!!
 こいつだっ!
 こいつがボンバーだ!!」
アブダラが大声で言う。

左前方に身構えるヴァンガドーラ達。

ココが進み出て言う。

「私はココ。
 ヴァンガドーラの長です。
 私達は復讐者。
 神の名を騙り、異端だ異教だと決めつけ
 罪もない多くの人々の命を奪った
 教団の偽りの聖職者に
 天の裁きを下しています」

最大限の礼をつくして
聖教会の二人に語り掛ける。

ミディアとニコールもゆっくりと歩み出てくる。

「私達の敵は、教団だけです。
 聖教会や聖教会のみなさんに
 全く敵意はありません。
 むしろ貴女方には・・・」

いきなり反対側から
巨大な一迅の風が
ココに襲い掛かる。

「・・・っく!」
両手を差出しバリアでかわすココ。

遠距離から一気に貫く
メルローズの攻撃だ!

その剣圧に吹き飛ばされるココ。

しかし強力なバリアで
傷一つ受けていない。

「聖フランチェスカ女子修道会
 ホスピタル騎士団
 副団長、メルローズ・・・」
ソフィアが全ヴァンガドーラのメンバーに向けてつぶやく。

「教団本部1、2を争う精鋭退魔団に・・・
 東部方面最強と謳われるセイレン騎士団かっ!」
イリスがうなるように言う。
そして彼女の全身を
強大なオーラが覆っていく。

「退魔団だろうが、セイレン騎士団だろうが関係ねえ!
 邪教の者はこの場で消えてもらう!!」
巨漢のドラムが吠える。

立ちはだかるイリスやドラムをよそに
間髪入れずメルローズの強烈な2激目がココを襲う。

さらに遠くへと吹き飛ばされるココ。

<っち!
 この強烈な突きも厄介だが、
 なんだこの剣圧は!>

「こっ、こらぁ!
 俺を無視するなぁ!!」
怒ったドラムが吠える。

目にも留まらぬ、メルローズの3激目!

「っくっ!」
飛ばされないよう背後にも抵抗バリアを張るココ。

<こ、この剣圧に
 削り取られる!
 バリアも
 力も!>
ココの顔色が変わる。
 
「なんてスピードだ!
 この私が間に入れない!!」
2人を追うイリスが吐き捨てるように言う。

「こっ、こらぁぁぁぁぁ!!」
・・・
ちょっと足りない・・・?
ドラムが吠える。

そんな2人の叫びもよそに
メルローズの4激目!

ソフィアがメルローズに強力な精神攻撃。
カンナがすかさずジャミング。

中和しきれなかった精神波動がメルローズを襲う。

前と後ろに強力な抵抗バリアを張ったココ。

大きく飛ばされながら
メルローズの全攻撃を吸収し

そして

はじき返した!

壁に叩きつかれるメルローズ。

角度を変えて最も壁に近い方向に弾いたのだ。

漏れたソフィアの精神攻撃が邪魔して、メルローズの防御バリアが一瞬遅れた。
 
額から血を流して
片膝をつくメルローズ。


ソフィアが一瞬安堵したのも、つかの間

<!>

あたり一面が、大爆発!

強烈な爆風と強炎が
ココとイリスを襲う。

吹き飛ばされながらもバリアを張ってなんとかかわした。

<っく!>

かわした先でも、強烈な爆発が起こる。


叩きつけられたメルローズを見て

ミディアが怒ったぁ!


ミディアの連続爆撃だ!!


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