戻ってきたリングホルン達を、オーランド神父が出迎える。
「よくぞご無事で・・・」
「さぁさぁ、こちらへ。みなさんお疲れではありませんか?
甘いものを用意しておりますから、まずは召し上がってくださいね」
シスターマティアスが、天使の微笑みでみんなをテーブルに誘う。
他のシスターも全員、満面の笑顔でリングホルン達の労をねぎらう。
「わぉ、うれしいね! 美人シスター達とこんなにお近づきになれて」
「リコ、声が大きいわよ」
「アンリ、女性としてはどうなんだ? こんな美女達に囲まれると、うれしい? なんともない?」
「別になんともないわよ。それに私はクレス一筋だから」
「おっ、いいよねそれ。でも、うちの女子はみんな言うんだよな、男よけに・・・」
「なんだ、わかってんじゃん」
ここは今回の依頼主でもある、聖教会の修道院。
オーランド神父は隣にある教会の神父だ。
「まぁ、こんなに可愛い方たちも、一緒にいらっしゃってくれたなんて信じられないわ」
リングホルン達がこの地に到着したと、真っ先に出迎えてくれたのがシスターマティアスだった。
その聖女の微笑みでメンバー達を驚かせた。
「お〜、めっちゃ綺麗じゃないか? シスターマティアス!」
リコが案内された来客用の寝所で大声で叫ぶ。
「クレスとタメ張ってるぞ。シスターにしておくなんて、もったいない!」
「他のシスターたちも、みんなかなりの美形ですよ♪」
それにイジルが続く。
「大きな声で騒ぐんじゃない、シスター達に聞こえるぞ」
ご機嫌な2人をたしなめる、リングホルン。
「それに明日は、朝一からカタコンベだ。早く寝ろ!」
超美人といえばリザや、セイレンが思い浮かぶのだが、
リザのような妖しさ、セイレンのような妖艶さではなく、
シスターマティアスは聖女と呼ぶにふさわしい、清楚な美しさだった。
「あら、なんて綺麗なハンターさんなんでしょう。思わず見とれてしまうわ」
お菓子と飲み物を運んできたマティアスが、素敵な笑顔でクレッセントの顔をのぞき込む。
超美人の突然のアップに、思わずドキッとしてしまうクレッセントだった。
「見つめられると、ちょっと照れちゃうくらいの美形よね。シスターマティアスって」
隣の席のアンリが、小声でクレッセント言う。
「えぇ、そうね。ちょっとドキドキしたわ」
アンリと顔を見合わせながら、微笑み合うクレッセント。
続いて夕食になり、ふと前を見るとマティアスと目があった。
<聖なる美しさって、きっと彼女のような美しさを言うんだろうな>
そんなことを思いながら、ちらりとまたマティアスの方を見た。
まだクレッセントのほうを見ている。
<ん〜、聖女にも効くかしら? お色気波動^^>
パチンとウィンク!
そして、誘惑波動全開!!
<うっふ〜〜〜んっ! ・・・どうだ?>
マティアスが、頬を染めて視線を外す。
<き・効いた?効いた? やったぁ!>
視線を外したまま、もうこちらを見ない。
<ふふふ、やったわ♪・・・でもどしよぉ、今夜襲われちゃったら^^>
なんて、不謹慎なことを考えて、1人でニヤつくクレッセントだった。
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「ベジネイト。ちょっと確認したいことがあるんだが、いいか?」
「えぇ、いいわよ」
夕食後、食堂に残った2人。
「あの強烈な精神攻撃の中、クレスだけがもろともせず動いていた。それに強力な防御結界、気づいていたか?」
「えぇ、個人攻撃してきた閃光は、いわばトドメ。それよりも先にマインドアタックと同時に、強烈は範囲攻撃があったわ」
「そうだ、そしてその防御結界が我々を守ってくれた」
「えぇ、そうね」
「それに先立ち、クレスはいち早く2時の方向に敵がいると叫んだ。その方向に敵の存在を感じたか?」
「いいえ、残念ながら・・・」
「先行する我々のチームも、感知系のリコすら気づかなかった」
「うちのアンリも気づいていなかったわ」
「クレスは感知系なのか? そんな話聞いたことあるか?」
「いいえ、バトル系だと認識していたわ」
「そうだな、あの閃光に反応する素早さはやはりバトル系だろう。
しかし感知能力にも優れ、強力な精神攻撃も寄せ付けない、極めて高い防御能力もあるってことか?」
「・・・まさか・・・」
「たまたま2時方向の暗闇が気になって、全力で探知してた。
みたいなことを言ってたが・・・
あの状況で、そこに注目していたということ事態、彼女の感知能力が並外れている証拠だと思う」
真っ先に敵の襲撃に気づいたのは、クレッセントだった。
敵のマインドコントロールに落ちなかったのも、彼女ただ1人。
リコやアンリ、イジルに対する敵の攻撃から、彼らを守ったのも・・・
そして、その敵に反撃を加え撃退したのも、クレッセントだった。
俺は・・・何もできなかった!
動くことすら、できなかった!
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