2012年05月04日

ベイムート伯爵の怨念05

花が咲き乱れる大地を渡る風が、心地よい。
真っ白な山肌が語りかけてくる様な冷めたい空気が、とても気持ちいい。
真横からの朝日がとっても眩しくて、心地よい。

今日も眠いわ・・・
また、あまり寝れなかった
妖しい夢ばかり見る・・・

シスター・マティアス・・・彼女ちょっと、綺麗すぎ!

ここに来てから、なんとなく調子が悪いわ
いけない空想や危ない夢

あの吸い込まれるような微笑が、いけないのよね

この地はこんなにも清らかなのに
シスター達はあんなにも清楚なのに

私だけが・・・不純・・・?

「怪しいと思えば思うほど教会付近には何かあるな」
「えぇ、リコ。それは私も感じるわ」
「アンリも感じるか。それはそうと昨日はありがとな。助かったよ」
「いいえ、責任を全て自分でとろうとした貴方にこそ、私は感謝しなければならないわ」
「じゃぁ、まぁ、クレス流に言うおあいこってことで。締めましょうか♪」
「なにそれ?
 よくわかんないけど、クレス流って言葉は気に入ったわ。
 私は貴方の倍以上感謝しているけど、おあいこってことで締めましょう」
「オッケ〜、アンリ。やっぱりお前はいい女だ。もう辛抱たまらん^^」
「なんか、それ・・・私のまねしてない?」

「敵だわ・・・囲まれてる!」
クレッセントが2人の会話をさえぎった。
「気づかなかった!」振り返るリコ。
「本当だわ、囲まれてる! なぜ、気づかなかったの?」周りを見渡すアンリ。
「いきなり出現したわ・・・」鉄扇をかまえるクレッセント。

後方がにわかに騒がしくなる。
ベジネイトとニナだ。
「下がるか?」
「いえリコ、怪しいのは教会! 遠ざかっては真相にたどり着けなくなるわ!」
「分かったクレス、お前は教会へ。アンリは少し後退しベジネイトとの合流を果たせ。
 俺は、お前たちの中間に位置する。全員抜刀!」
一斉にサーベルを抜く。
「祝福を!」
クレッセントがそれぞれの肩にそっと手を置く。
「行け!」
風のように教会へ走るクレッセント。
「クレスのサーベル姿、やっぱ絵になるわぁ^^」
「く・く・く・・・ベジに、聞こえたらどやされっぞ♪」
「ふふふ、内緒よベジには^^」
「早くいけ、ベジの元に。お迎えが遅いって文句言われるぞ」
「あいな、じゃな行ってくるわ。
 ベジさま〜!」
と言って、ベジネイトの方へ走っていくアンリ。
敵に襲われていないアンリはまだ悠長だった。

が、ベジネイトと合流を果たしたそこは、戦場だった。
見たことも無い制服を着た一団が襲い掛かってくる。
前衛が槍、後衛が弓だ。
「弓だ、弓に気をつけろ!」
弓兵がアンリを狙う!
「3人一組で来るぞ! 3連射だ!!」
<矢なんて、私にかわせるの?>
3連射!
チン!チン!チーン!
<み、見える! 直前で急に遅くなるし、矢の軌道が見える!!>
第2派!
チン!チン!チン!
<こ、これは・・・超感覚? 矢の軌道が見えるなんて・・・>
敵兵3人だけが見える?
<ベジを狙っている! ベジは? 槍兵と戦っていて気づかない、まずい! でも遠い!!>
チン!チン!チン!
ベジネイトに向かって放たれた3連射を叩き落すアンリ。
<跳んだ? 私が跳んだ?! 間違いない、超感覚だ!>
びっくりした顔でアンリを振り返るベジネイト。
「ア、アンリ、ありがとう!」
<いいえ、ベジ。貴女が私だったら同じことをしたでしょう? おあいこよ♪>
ベジネイトの背後につき敵の攻撃に構えるアンリ。
<やっぱ、へんよねこの理論。でも、クレス・・・貴女の性格が現れていて、とても気に入ったわ。この言葉>
「アンリ! 槍兵は私が、貴女はその後ろの弓兵をお願い!」
「はい! ベジネイト」
ベジネイとが槍兵に襲い掛かる。
その後ろにいる弓兵に反撃を加えるアンリ。
<手か、弓だ!>
弓兵の動きがだんだん鈍くなる。
弓をどんどん切り裂く。
<超感覚が増幅してくる?>
敵兵の動きがさらに遅くなる。
<これが・・・これが、クレスなの?>
なぜかわからないけど、クレスの感覚だと思った。
<クレスの・・・祝福?>
他を圧倒するこの動き、味方への攻撃すら気づく感知力。
<今なら分かる。この超感覚が教えてくれる。敵の攻撃が途中から急に遅くなる。これは防御結界だ!
 それも相当強力な物理防御。放たれた矢がどんどん失速する。打ち込まれる槍がどんどん勢いを失う>
ゆっくり動く弓兵の弓を叩き切る。
細切れに動く槍兵の槍を叩き折る。
<この防御結界は、誰? 誰の結界? こんな強力な結界?>
残り少なくなった弓兵への威嚇も兼ねてあたりを見渡す。

<ニナ?>

少しはなれたところで、敵からの攻撃を軽くかわしているニナ。

<ニナの、防御結界! でもなぜ、ランクBのニナが、こんなにも強力な・・・?>

構える弓兵。
一瞬にしてなぎ払うアンリ。

<・・・そっか、ニナは、たしか・・・オカルトクラブ!>

アンリのサーベルが槍兵に襲い掛かる。
折られ、粉砕される槍。

「ア、アンリ!」

ベジネイトが目を丸くしてアンリを見る。

<彼女は、クレッセントファミリー!>


☆Best Site Ranking☆

☆GL Search☆

☆人気のブログ☆





posted by Jiji at 21:28 | TrackBack(0) | ベルムート伯爵の怨念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
魔女達の刻
 01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
 11  12  13  14  15  16  17  18  19  20
ベイムート伯爵の怨念
 01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
 11  12  13  14  15  16  17  18  19  20
 21  22  23  24  25  26  27  28  29  30
 31  32  33  34  35
テスペランサ・ドゥ・ココ
 01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
 11  12  13  14  15  16  17  18  19  20
 21  22  23  24  25  26  27
外伝
 01  02  03  04  05
 1:ポロネーゼ婦人 2:エヴァンゼリン 3:妖精の森
 4:伝道 5:美しきオブジェ

白い薔薇の淵まで
中山 可穂
ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。

深爪
中山 可穂
翻訳家のなつめは、人妻・吹雪と激しい恋に落ちる。吹雪の家で逢瀬を重ね、子供の昼寝の間に快楽をむさぼる日々。女同士の恋、家庭を壊すつもりなどなかったのに、会えば会うほど溺れてゆき、愛するがゆえに傷つけあわずにはいられない。

猫背の王子
中山 可穂
自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた―。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主宰する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りが・・・



感情教育
中山 可穂
前世から契りあった恋人はあなたですか?今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?那智と理緒。傷つくことにすら無器用な二人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。

サグラダ・ファミリア
聖家族
中山 可穂
将来を嘱望されながら、ある事件をきっかけに落ちぶれてしまったピアニスト響子。酒に溺れながら孤独に生きる彼女のもとに、かつて恋人だった透子が戻ってきた。赤ん坊を抱いて・・・

屋根裏の二處女
吉屋 信子
寄宿舎を舞台に、二人の“処女”の愛と尊厳を描き上げた吉屋信子の原点というべき小説。現代まで「禁断の書」として秘かに語り継がれた物語の全貌を、今、明らかにする。



花物語 上
吉屋 信子
少女の日の美しい友との想い出、両親を亡くした姉弟を襲った悲劇…花のように可憐な少女たちを繊細に綴った数々の感傷的な物語。世代を超えて乙女に支持され、女学生のバイブルと呼ばれた不朽の名作。

花物語 下
吉屋 信子
女学校中の憧れの的である下級生を思慕する少女、美しく志高い生徒と心通わせる女教師、実の妹に自らのすべてを捧げて尽くした姉…可憐に咲く花のような少女たちの儚い百合物語。

あなたがほしい je te veux
安達 千夏
友人の留美に対する同性愛の欲望を意識しながらも、男友達の小田との肉体関係を愉しむヒロイン・カナ。男とはHできるが、愛せない。女は愛せるが、Hは・・・



ナチュラル・ウーマン
松浦 理英子
女性と女性との恋愛物語。私はこの小説を書いたことを誇りに思う―著者。《定本》映画化決定。’80年代に孤立した輝きを放った女流文学賞作家の畸型的傑作。

蝶の眠り
柳田 有里
雨の歩道橋で深見笙子と出会った沙霧は、彼女の溌剌とした容姿や、輝くような個性の閃きに接するうち、彼女にほのかな恋情をおぼえるようになる・・・

秘密の花園
三浦 しをん
最初から、那由多だけは特別だった。一目惚れや運命の相手なんて信じはしないが、この学校の桜の木の下で彼女に初めて会ったとき、私は悟った・・・



雲南の妻
村田 喜代子
この契りは永遠に…。女が女を娶る。中国雲南の奥深い地で過ごした忘れ得ぬふたりの愛の生活。奇妙な同性婚、傑作長篇小説。

雨の塔
宮木 あや子 
四人の少女たちが織りなす愛と孤独の物語。資産家の娘だけが入れる特別な学校に「捨てられた」四人の少女たち。閉じた空間で生まれる愛情、執着、嫉妬。濃密で危うい感情の行く先は・・・

葬儀の日
松浦 理英子 
葬式に雇われて人前で泣く「泣き屋」とその好敵手「笑い屋」の不吉な〈愛〉を描くデビュー作はじめ3篇を収録。特異な感性と才気漲る筆致と構成によって、今日の松浦文学の原型を余すところなく示す幻の第一作品集。



私立カトレア学園
乙女は花に恋をする
沢城 利穂
乙女の園、私立カトレア学園の入学式。迷子になって泣いていた、ひなを助けてくれたのは『氷のプリンス』大城翼先輩。男子禁制の乙女の花園でひそやかに咲く、乙女たちの甘くて切ないスイート・ラブ。

ワイルドブーケ
花の咲かないこの世界で
駒尾 真子
自由恋愛が禁止され、結婚する相手も国家によって管理される世界。国王の嫁となるべく定められた美貌の姫君デェリアナと姫のお世話をするメイドのジョーゼットとの素敵な恋愛物語。

ワイルドブーケ
想いを綴る花の名は
駒尾 真子
「大好きな人とずっと一緒にいたい」、そのためだけにすべてを捨てて、見知らぬ世界へと旅立った二人の少女ジョーゼットとデェリアナ。その後の2人に降りかかる事件とは・・・。王道百合小説の第2弾!



偽りの姫は騎士と踊る
ダブル・エンゲージ
渡海 奈穂
父王を家臣に殺され、国を追われたディアナ姫。彼女を支えたのは、幼い頃から忠誠を尽くした女騎士・エフィだった。彼女への想いを募らせるディアナだが…素直になれない姫と誠実な女騎士との百合ファンタジー。

あまがみエメンタール
瑞智 士記
全寮制の小中高一貫校、青嵐女学院。外界から完全に隔離された少女たちの園で、ロリータファッションに身を包む少女・橘地莉子は今日も、ルームメイトである渡会心音の肌に歯を立てる。何年にもわたって続く二人だけの秘密の「儀式」…

PUPPY LOVE
鈴本紅:著 ひびき玲音:絵
同級生の知花がかわいくて仕方ない乃々子は、自他共に認める知花オタク。普通じゃない女子高生と普通な女子高生の、ラブコメ。



384,403km―
あなたを月にさらったら
向坂 氷緒:著 玄鉄絢:絵
美由紀は幼稚園以来9年間、理世にずっと片思い。別の小中学校に通う理世とは384,403km―月と地球の距離のように遠いと思っていた。でも・・・

どろぼうの名人
中里 十
私の名前は初雪。もうすぐ15歳になる。美しい古書店店主・川合愛は私を欲しがり、姉は彼女に私を差し出した。川合愛との不思議な生活。飽きられないように、愛し続けられるように。

どろぼうの名人サイドストーリー いたいけな主人
中里 十
私がお仕えする国王陛下は21歳の陸子様。私は陸子さまを愛し、陸子様も、きっと私を愛してくださっている。しかしある日、陸子さまのお側仕えに15歳の美少女緋沙子が登用された…。



君が僕を1
中里 十
昔はどこの商店街にもいたらしい商売繁盛の神様""恵まれさん""が、私の街のショッピングセンターに、復活。今度の"恵まれさん"はなんと中学三年生。気になる…気になる……好きになる?

. (period)
瑠璃 歩月
マフィアへの復讐に燃える女性警官・ビアンカは、警察への復讐に全てをかけるマフィアの手先・ニコラと運命的な出会いを果たす。相容れない者同士が闘いの中で互いを認め、惹かれ合っていく…。

みすてぃっく・あい
一柳 凪
冬休みの女子寮には、4人の美術部員しかいなかった。私たちはひたすらに戯れる―ピクニックをしたり、チェスをしたり、いっしょにお風呂に入ったり。でも2人に告白され、私は選ばなければいけない・・・



ストロベリー・パニック1〜3
公野 櫻子
乙女の聖域に秘められた恋…。シスター・プリンセスの公野櫻子氏が、正統派百合ノベルを華麗に書き下ろし。名門お嬢様学校である聖ミアトル女学園に編入した少女は・・・

クシエルの矢1〜3
ジャクリーン・ケアリー
天使の血をひく人々の国、テールダンジュ。ここでは、愛の営みは神への捧げ物である。少女フェードルは“クシエルの矢”と呼ばれる印をもって生まれ、人には言えない性癖があり、それゆえに数奇な運命をたどる…

蒼穹のカルマ1〜7
橘 公司
空で生き、人を襲う空獣(エア)が住む世界。空獣を狩る機関「蒼穹園騎士団」でカリスマ的人気を集める女騎士・鷹崎駆真。だが世界の平和を守るはずの騎士である彼女には、世界の平和より優先すべきことがあった…
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。