「避雷針は?」
「まだ、完了していません」
「急がせろ! 中継ポイントの障壁は?」
「全12箇所中10箇所終了です」
「中継ポイントのダミーブランチは?」
「全12箇所中5箇所終了です」
「遅れているぞ、急がせろ!」
「周辺の動向は?」
「ターゲット周辺の結界が消滅してから、急に感知チームが集まってきていますね。・・・現在周辺に7チーム」
「7だと・・・多いな。どういうことだ?」
「感知に長けた者なら、この地に張り巡らされていた結界に気づいていた・・・ってことでしょうね」
「今回は徹底していますね?
避雷針って・・・何ですか?」
「設置に時間がかかるから、めったに使われることはないが、
逆探を受けたときに最大の障壁になってくれる
ジャミングシステムのことだ」
「ん〜?」
「要するに、逆探知を受けたとき避雷針の座標がこちらの座標のように相手にみせかけるシステムだ。
敵から逆探攻撃を受けたとき、避雷針が攻撃を受けてくれるわけだ」
「なるほど・・・でも、それは座標誘導でもできることですよね?」
「座標誘導は緊急時のいちかばちかの賭けだ。
安全なのは避雷針と、今張りめぐらせている中継地からのダミーブランチだ。
逆探をしてきた敵はこのダミーブランチに誘い込まれて、そこに我々がいると錯覚する。
2重、3重の防壁だ」
「なるほど、座標誘導も含めて3重の防壁というわけですね。
実は俺、ダミーブランチもはじめてで・・・」
「ここまで徹底した防壁は、めったに構築しないからな。
よく見ておけ。今回は奴が指揮をとっているからな。
いい勉強になるだろう」
「B7がターゲットにダイレクトリンクを仕掛けました」
「なに? ばかな!
我々が探査していることを相手に知らせるだけだ!!」
「それに呼応して、C3、U4がダイレクトリンク」
「くそっ、時間がない!
ミラ、どう?」
「複数回に及ぶSS同士の戦闘・・・巨大な残留思念が消滅。
異界からの干渉、それに時間にゆがみが生じています。
感知可能な素子から判断して、ターゲットはフレール・フルールと推定できます」

「確定はできなの?」
「現段階で60%」
「私がダイレクトリンクしましょうか?
そうすれば、確定できるはず・・・」
ミラが言う。
「ダメだ。相手はフレール・フルール、オリエント最強の魔女と呼ばれる超大物だ。
逆探攻撃されたら、我々などひとたまりもないぞ!」
「エルニカ!
ターゲット周辺に、巨大な、巨大な・・・こ・これは、これは・・・」
「どうした、ミラ?」
「こ、これは・・・
異界が、出現・・・しまし・た」
「緊急撤収! 全員撤収だ!!」
危険を察知し、エルニカがいきなり叫ぶ。

「な、なんだって?」
「全ブランチ最大出力!
全員すみやかに撤収しろ!」
「ここまできて、か?」
「全ての探知痕跡を抹消!
中継障壁最大!
避雷針稼動!
ジャミング班、最大ジャミング!
バリア班、最大防御!
感知班は全ての探知痕跡を消去しろ!」
「せっかくここまで作ったのに?」
「あっ! 逆探・攻撃、来ますっ!!!」
ミラが叫ぶ。
「中継障壁最大! ダミーブランチに誘い込め!」
エルニカの指示が飛ぶ。
「速い! 間に合いません!」
「最大ジャミング!」
「間に合いません!」
「避雷針最大!」
「突破されました!」
「座標誘導!!」
「はい!」
「最大バリア!!」
どーーーーーーーーーーん!!!
耳を劈く轟音。
目の前が一瞬にして炎に包まれ、
・・・消滅。
全身が焼かれるような高熱。
「うわぁぁぁぁぁ」
「あぁぁぁぁぁ」
轟く悲鳴。
「か、かわした・・・」
「座標誘導で、わずかに外れたんだ」
「直撃じゃないのに、この衝撃か・・・」
「次に備えろ!
ジャミング班はジャミング!
バリア班はバリア!
己の職責を真っ当しろ!」
エルニカが叫ぶ。
「第2派、逆探来ます!」
「くっ!
最大防御!
最大ジャミング!
座標誘導、また頼むぞっ!!」
全員が防御体勢をとる。
「・・・」
<第2派攻撃は・・・来、ないの?>
「・・・逆探は?」
エルニカがミラに尋ねる。
「来ています。ダイレクトサイト・・・」
<・・・向こうには、見えているのね?>
エルニカが身なりを整え、語りかける。
「ミッションにより、この地を探知していました。
他意はありません。
ただちに撤収いたします」
エルニカが全員に命令する。
「全員、ただちに撤収!」
「地獄の火竜ならぬ、地獄の美女とかも出せるのかな?」
「ふふふふふ・・・貴女、犯されまくって、ばらばらにされるわよ♪」
「あぁぁぁ、いいわぁ。素敵だと思わない、ルテア。
地獄の美女に犯されまくりたい・・・
でもばらばらにされるなら、マティアスがいいわぁ♪」
「ミディア、地獄の美女なら呼び出さなくても、もういるじゃない?」
「あっ、そっかぁ。それもそうね。マティアスこそが地獄の美女よね♪」
「マティアスが地獄の美女かどうかは分からないけど、地獄の美女はきっと彼女みたいな人よ」
「うん、私もそう思うわ」
「マティアス以外、想像できないわよね♪」
「あぁ、マティアス。どうしてあんなに素敵なの?
どうしてあんなにも邪悪なの?」
「また、邪悪なんて言ってる」
「だって、とても似合うんだもん。邪悪とか極悪とか。それに闇とか暗黒とか、それから地獄に冥府でしょう・・・」
「うん、そういう側面もあるけど、私にはもっと天に近いイメージがあるわ。天使とか天女とか」
「え〜〜〜っ、天使が下半身を娘たちの血だらけにして歩く?
歳端もいかない生娘を縛り上げて、無理やり犯す?」
「でもその行為を行っているときのマティアスをどう思う。
少女を縛り上げて、ベッドに連れ込み、犯す。
その行為自体がこの世のものとは思えないほど美しく、神々しいわ。
そして、処女の鮮血を浴びてまばゆいばかりに光り輝く。
まさに、天からの使いだわ」
「ん〜、確かにこの世のものとは思えないほど美しいわよね。
でもそれはマティアス個人が絶世の美女だからであって・・・
いつもは興奮して、きちんと見てなかったような気がするけど」
「興奮して見るんじゃなくって、今度天使の営みだと思って見てごらんなさいよ。
マティアスがまさしく少女を天国へ誘う天からの使いに、見えるわよ」
「少女を悦楽に導き、天国へ誘うか・・・、なんか、とっても・・・素敵」
合掌し頬を染めながらミディアが言う。
「貴女は、マティアスであればなんでも素敵なんでしょう♪」
あきれたわと言わんばかりの微笑みのルテアだった。
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