デフィエルデルワーレ。
ギルド前のおしゃれなカフェに、おしゃれな女性が2人。
白い石畳に赤い絨毯、白いテーブルに赤いクロス。
真っ白な町並みに溶け込む、真っ赤なパラソル。
抜けるような青い空に、2人の笑顔。
「ふふふふふっ♪」
「ねぇ、それはそうと・・・
この前のバナートでの戦い、バナート戦役と命名されたそうよ」
エルニカが告げる。
「戦役?」
驚くサーシャ。
「あの地だけで、死者31名、負傷者12名だそうよ」
「死者31名!」
「近隣の地でも亡者があふれ出し、そうとうな被害が出たそうよ」
「死者31名って?」
「死者は、そのほとんどが探知チームよ。
連合からの緊急依頼により、かの地を探知していたみたい。
感知を得意とするギルドだったり、連合直属のメンバーもいたらしいわ。
敵の逆探攻撃にあい、近距離で5チーム、遠距離で2チームが吹っ飛ばされたわ」
「な、なんですって!」
「一撃で、ほぼ壊滅よ。
感知専門の優秀な要員ばかり。
備えは万全だったはず。
それが瞬時にして逆探され、殲滅されたわ」
「複数箇所同時に?」
「えぇ、直撃7箇所、なんとかかわせたのが2箇所のみ。
9箇所同時に逆探されて、即爆破よ」
「爆破?」
「そう、相手には強力なボンバーがいたみたい」
「ボンバー!! あの超Sランクといわれる、幻の?」
「実在していたのね。私も初めてくらったわ、遠距離ボム。
高熱と爆風、そして飛散する金属偏で、全身焼かれ、ばらばらにされるわ。
直撃を受けたチームは、それは見るも無残な惨状だったそうよ」
「エルニカ。
あ・貴女たちも・・・いたの?
よ・よく無事で?」
「私達は逆探不能といわれる方法で遠距離探知をしていたし、
念のため逆探防止の専門要員を2人、ミラにつけていたわ。
1人は逆探知を察知してミラの遠距離探知を切断する人間。
もう1人は敵からの逆探知をジャミングする人間。
その上、避雷針も立てていたし、何十箇所にもおよぶ逆探障壁も構築していたわ。
それでも逆探され、最後は座標誘導でぎりぎり助かったわ」
「よくそこまでの防壁を築いていたわね」
「私達は、他のチームと目的が違っていたのよ・・・
超大物魔導士の痕跡を追っていたの」
「超大物?」
「・・・内緒よ。
今世紀最大の魔女」
「・・・まさか?」
「オリエントの女王よ」
「フレール・フルール?!」
サーシャが驚いて叫ぶ。
「そう!」
「その地にいたの?」
「分からないわ。ミラの判定で、確立60%だって」
「そんな高い数字・・・」
「えぇ、ほぼ確定だと思うわ」
「それで通常では考えられない堅牢な防壁を築いていたのね?」
「でも、あっさり破られたわ・・・」
エルニカが残念そうに語る。
「かの地で、そんな戦いが繰り広げられていたのね」
「私達はすぐに撤収して、その地を離れたわ。
当初は一帯に強力なジャミングが張られていて、他チームの被害が分からなかったの。
最近になって、なんとか生き残った要員の証言や、
全滅したチームのギルドが行った現地調査の結果を連合がまとめ、
やっとその全容が分かってきたの。
Sランク感知能力者6名を含み殉職者31名。
今世紀最大の悲劇となったわ。
そして、貴重な感知能力者を随分失った」
「そんなことが、あったなんて・・・」
「デフィエルデルワーレは
正面中央にあって死傷者ゼロ!
後続の部隊も
正面後方にあって同じく死傷者ゼロ。
これは、快挙だわ!!」
「・・・中央の戦闘より、周囲での戦闘のほうが激しかったのかもね」
「謙遜しなくてもいいわサーシャ。
ミラの探知によると、中央の戦闘はそれよりもはるかに激しかったそうよ」
「!」
改めて驚くサーシャ。
「デフィエルデルワーレはその名の通り、
鉄の意思をもった優秀なメンバーをたくさん要しているからこそ
アキア最強のギルドと言われるのよ」
「アキア最強?」
「ギルド連合が、敵を撃退した正面中央のメンバーには
英雄の証・連合十字勲章を、
そしてそのメンバーを有すデフィエルデルワーレには
ギルド連合中最強の証・連合金旗を授与するそうよ」
「えっ!
連合十字章!!
その上・・・
連合金旗!!!」
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