2012年08月28日

テスペランサ・ドゥ・ココ03

「な、なんだと?
 ギルドからSランク感知者を招集しておいて、そのギルドからの護衛を断ったって?
 なぜそんなバカなことをしたんだ?
 これで、ミラがやられてみろ・・・
 あのじゃじゃ馬、どっちに牙を剥くか分からんぞ!」
今回のミッションにクレッセント参加の理由を調べさせていた、ル・ボーン。
「じゃじゃ馬って、さっきのデフィエルデルワーレの?」
「外敵に壊滅させられても名誉の殉教となるが、内部からやられてみろ・・・ただじゃ済まされんぞ!」
慌てふためくル・ボーン。

「内部からって、そんな・・・」
「とにかくここにいる連合のトップを呼んで来い!」

ギルド連合代表執務室。

「なんだと? 来いとはどういうことだ、何様のつもりだ? 連合と教団は共同戦線のはず、対等だ!」
「し、しかし? ル・ボーン殿が」
「誰でもいい! 用があるならそっちから来いと伝えろ!!」
一介の修道士から来るように言われ、激怒する連合のベイタム。

「退魔団のル・ボーンと申します」
呼びつけたル・ボーンがベイタムの執務室を訪れる。

「た、たいま・だん・・・しっ、失礼しました!」
組んだ脚を机の上に乗せていたベイタム。
退魔団と聞き、あわてて飛び退き床に額を押し付ける。
土下座しながら、部下に向かって一喝。
「バカモノ! なぜきちんと伝えない!!」
続けて、ル・ボーンに向かってひれ伏す。
「申し訳ありません。
 こちらの連絡ミスでお呼び立てしてしまって、本当に申し訳ありませんでした」
「かまわん、かまわん。
 それよりも召集したSランク感知者に、
 至急ギルドからの護衛を付けさせろ!」
「し、しかしすでに我々の精鋭を護衛に付けておりますが・・・」
「それが、信用できんと言っているんだ!
 この状態で無理やり連合が召集した感知者に、
 もし戦死者が出たら、お前はどう償うつもりだ?
 Sランクの感知能力者といえば、各ギルドの要、VIPだぞ!
 賠償金は1人あたり1000万レイ(2億5千万円)でも足りないぞ!
 どうするんだ?
 ギルドからの護衛を断った貴様らは
 全員首をくくればそれで済むが、
 肝心の賠償金は払えるのか?!」
「そ、そんな・・・」
ベイタムが真っ青になる。
「まだ間に合う。とにかく、今すぐにギルドから召集した者達に方針変更を伝えよ!
 そこのお前!
 ただちに行って、全員にギルドからの護衛を要請する旨伝えて来い!」
ル・ボーンがベイタムの部下に直接指示する。
「はい!」
急いで部屋を飛び出すベイタムの部下。
「そして各ギルドに至急護衛を要請しろ!
 それからすぐに
 感知者1人あたり5000万レイの保険を掛けろ!
 わかったな!!」
「は、はい・・・早速!」

----------

顔合わせの後の晩餐会。

ル・ボーンの周りには大きな人だかりができている。
「ル・ボーン殿、第3聖騎士団のザイツェルと申します。お目にかかれて光栄です」
「師匠! ビュッフェルトです! 第4聖騎士団所属となりました。
 こんなところでお会いできるなんて感無量です!」
「ル・ボーン殿、同じく第4聖騎士団のフランコと申します。
 ぜひ一度、お目にかかりたいと思っておりました」

「ち、近寄れん><」
「あぁ、オーマ1の剣豪で、退魔団団長だからな」
「オーマ1の剣豪と言えば、バルダークやジュリアスだろ?」
「知らないのか、お前? 彼らの師匠だよ!」
「えっ、え〜っ?!」
「多くの流派があるなかで、ル・ボーン殿はその剣技伝承に広く門戸を開いている。
 だから武闘を目指す多くの修道士や一般信者が一度は入門するんだ。
 教団にも、信者にも彼を師と仰ぐものは多い」
「私もサンレモのとある道場でル・ボーン殿の剣技を見たことがあるが、
 それはすさまじく、圧倒的だった。
 いや、華麗という言葉が一番よく似合うかな」
「その言葉もぴったりだが、師匠に一番似合う言葉は、やはり大剣豪!」
「はい、まさにそのとおり!」
 
ル・ボーンが率いてきた退魔団のメンバーも鼻高々だ。
「すごいな、団長は!」
「あぁ、教団の誉れだ!」
「我々も団長の名誉を汚さぬよう、信仰と己の鍛錬に励もうぞ!」
「おぉぉ!!」

その会場の端。

クレッセントとミラが話している。
ギルド連合のジュネスとウエルがすぐそばで、
話しかける機会をうかがっているようだ。
ジュネスが近づこうとした瞬間、横からカンナが登場。
カンナ01.jpg
両手に料理と飲み物をいっぱい持っている。
「クレッセントさん、ミラさん、どうぞ食べてください」
「カンナ、気を使わなくてもいいのよ」
「そうですよ。一緒に闘う同志じゃないですか?」
「はい、どうぞよろしくお願いいたします」
笑顔で脚を少し折り、礼をするカンナ。
「は〜い、はい。もう100回は聞いてるわ♪」
「ふふふふふふっ」
ミラが可愛い顔で笑う。
「私にばっか礼をしてないで、他の連合諸将にご挨拶しなくていいの?」
「はい、クローディッシュに
 『クレッセントさんから絶対離れないこと』
 って、厳命されていますし」
「あ〜ら、じゃぁ・・・ベッドもつきあってもらおうかしら?」
ミラが大きく息を吸って、クレッセントの腕を引っ張る。
顔は真っ赤だ。
「ふふふっ、冗談、冗談♪」
カンアも下を向いたままだ。

ミラが腕をぐいぐい引っ張る。
見ると、可愛い顔でにらんでる。

「あっ、貴女が先よね。わかってるわよ、ミラ♪」

「ちっ、ちがうわ!!!」
思いっきりにらんでるみたいだが、めっちゃ可愛い。
「そ、そうゆうことを言ってるんじゃなっくて・・・」

<あっ・と、とろけそう・・・>

1人で興奮するクレッセント。


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