青と白2色のテーブルパラソルの下、多くの人が昼食をとる。
そんなのどかなはずの中央広場は、戦場と化していた。
逃げ惑う人々。
女性の悲鳴。
避難誘導の声。
メルローズの突きが炸裂。
飛び越えたいくつものテーブルが、遅れてひっくり返る。
左手の小盾でしのぐリベルト。
それでも突きの勢いで後ろへ大きく弾かれる。
「くっ! なんて突きだ!!」
別方向からの弾丸がメルローズを襲う。
後退しながらサーベルで防ぐメルローズ。
「リベルト、気をつけて!
キリアンはこいつの突きを食らったのよ」
セラが叫ぶ。
「奴が突きを食らうなんて、信じられないな・・・。
剣の腕だけは、ピカイチなんだがな」
「でも、ニキも戻らないわ」
「・・・あぁ、そうだな」
遠距離からの突きが再びリベルトを襲う。
<わずかに軌道がずれるわ・・・こいつに捻じ曲げられている?>
メルローズの連続攻撃。
受け流すリベルト。
「くっ!
切っ先をかわし
この女とすれ違う瞬間がチャンスなんだが・・・
剣圧に押されて攻撃できない!」
両手にカトラス。 ←注1

短い剣身でいかにもスピード勝負のリベルトだが、今のところメルローズの速さに押されぎみだ。
<次、いくか!
突きの剣閃を大きく外し、すれ違った瞬間、背後から止めを刺す!>
メルローズの鋭い突きが炸裂。
<!>
リベルトの能力か、突きの軌道が大きく左へ外れる。
<ここまでずらせば剣圧もしれてるぜ! もらったぁっ!!>
リベルトが襲い掛かろうとした先に標的がいない。
<!>
リベルトの真下にメロルーズ!
直下からの突きが炸裂!
「くっ!」
仰け反り瞬時でかわすも、背後へ吹き飛ぶリベルト。
「ぐおぉぉぉぉぉ!!」
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クレッセントの前にアブダラとヴァンガドーラのメンバーが2人。
クレッセントを守るように、退魔団と連合騎士団が3人。
後ろにはミラとカンナがいる。
パチン!
ミディアの指が鳴った。
ドーン!
ヴァンガドーラのメンバーの1人が炎に包まれる。
「ドゥキオ! 大丈夫か?」
アブダラが駆け寄る。
「あ、あぁ・・・なんとか大丈夫だ」
火傷をところどころに負いながらもドゥキオと呼ばれたメンバーが答える。
「瞬時にバリアを強化したから、助かった・・・」
<今の攻撃・・・ボ、ボンバーがいるのか?>
アブダラがあたりを感知しながら注意深く見渡す。
<どこだ? どこにいる?
この近くにいる者といえば、物陰に隠れている奴等と、聖教会のシスターくらいだ・・・
敵のジャミングで感知できない。
無理やりにでもロベルタを連れてくるんだった>
「ニコール、インメルサバリア」
ミディアがささやく。
「はい」
<!>
ドゥキオを球体が包んだ。
パチン!
ドーーーン!!
球体の中で大きく炸裂。
通常のバリアは外からの攻撃を跳ね返し内部を守る。
インメルサバリアはその逆、逆バリアだ。
内部の攻撃から外部を守る。
中にいたはずのヴァンガドーラのメンバーが一瞬にして消滅。
「ドゥキオ! ドゥキオ!!」
「気をつけろ、ボンバーがいるぞ!」
インメルサバリアが上から開く。
高圧ガスが一気に吹き出し、爆音と共に火柱が上がる。
「なんて、パワーだ!」
アブダラが叫ぶ。
<!>
いきなりアブダラが大きくジャンプ。
すんでのところで、自分を襲うインメルサバリアをかわしたのだ。
<これに捕らえられたら終わりだ!!>
「新人、離れろ! 散れっ!!」
「なぜです?
対ボンバー戦は複数でバリアし、全員で一気に攻撃するのが基本でしょう?
メンバー全員でかかれば、きっと倒せます!」
「それはボンバーという存在自体、1人では倒すことができない。
だからそう教えるんだ。
それに今は対抗できるほどのバリアーがいない!
皆殺しにされるぞ! 撤収だ!!」
走る、走る、アブダラが走る!
「撤収だーっ!!」
アブダラが叫ぶ。
「全員、撤収!!!」
ヴァンガドーラ、全員撤収。
注1:カトラスとは船上など狭いところで戦うのに好まれた、短めの剣
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