「ミディア・・・」
ドアの外には、ミディアが立っていた。
華やかな宴も終わり、
メルローズは部屋へと戻り、
ちょっとくつろいでいたところだ。
そこに突然のノック。
「こんばんは、メルローズ」
舞踏会場で見たままの真っ赤なドレス姿だ。
「な、何の用?」
扉を半分ほど開けて、メルローズが言う。
「何の用・・・?
じゃ、ないでしょう!」
ミディアがドアを押し開け、
メルローズの肩を突き飛ばす。
笑顔のままだが、やってることはかなり乱暴だ。
「女性がこんな時間に部屋を訪ねてきたら、すぐに招き入れるものでしょう?
それも着飾って来てるっていうのに、ほんっと気が利かないんだからっ!」
悪態をつきながら、ずかずか部屋に入ってくるミディア。
「騎士の名が泣くわよ」
メルローズには一瞥も送らず、部屋を見渡す。
「部屋の間取りは一緒ね・・・」
真っ赤なマニキュアで彩られたミディアの指で持つ、
高級ワインとグラス2つがテーブルの上に置かれる。
「きちんとお化粧直しして、貴女の部屋へ来たのよ」
ちらっとメルローズのほうに視線を送る。
「どう、綺麗でしょう?」
真紅のドレスに品の良い装飾品、そして有名ブランドの香水の香り。
薄い化粧もミディアの美貌を最大限に惹きたてる。
ばっちりきめて突然来訪してきたミディアに、どきまぎするメルローズ。
ダークカラーの法衣に身を包むミディアしか見たことがなかった。
それでもその美しさは、光り輝いていたというのに・・・
「こんなに綺麗だったなんて、知らなかったでしょう?」
挑戦的にメルローズを見つめながら、ミディアが言う。
「べ、別に・・・、前から知ってたわ」
あまりにも美しく着飾ったミディアの視線に動揺したのか、
何か言い返さなければ! と、ついて出た言葉がこれだった。
<し、しまった・・・平静を装うつもりが、この淫売女を褒めてしまった・・・>
それを聞いて、うれしそうな顔をしてミディアが擦り寄る。
「そうなんだ、知ってたんだぁ。うれしいわ♪ それじゃぁ、美しさでは私の勝ちね」
唇が触れ合うくらいまで、近寄るミディア。
態度は一貫して挑戦的だ。
「何言ってるのよ。勝手に決めないでくれる!」
胸を突き出し、反撃するメルローズ。
それでもぐいぐいミディアに押され、後ずさりする。
「時間をかけてメイクして、着飾ってここに来ている私と、いつもとおんなじ格好の貴女と。
女として今、どっちが綺麗かって聞いてるのよ!」
「・・・」
反論できないでいるメルローズ。
口から生まれてきたようなミディアと無口なメルローズでは、口げんかの勝敗は明らかだ。
結局ベッドのふちまで追い詰められ、そこに腰を下ろすメルローズ。
「じゃぁ、私の勝ちということで、膝まづきなさい。
今、負けを認めれば・・・、
優しく・・・抱いてあげるわ」
誘うような目でメルローズを見つめるミディア。
その視線を外し、メルローズが言う。
「膝まづくのは貴女のほうだわ」
今はとても綺麗にしてはいるが、本性は下劣な女。
こんな女に屈する訳にはいかない。
「ミディア貴女こそ、そこに膝まづきなさい。
そして、私の足の指を一本一本全部舌できれいにしたら・・・」
冷ややかにミディアを見つめ、メルローズが言う。
「貴女の好きなところに・・・キスさせてあげてもいいわよ♪」
そして足を組み、右足を大きくミディアのほうに突き出す。
「このむかつく、いやらしいメス猫め!
跡形も残らないように消し去ってやろうか」
周囲の空気が一変した。
<いきなりやるのか?!
サーベルは?・・・ベッドの端だ、油断した!>
ベッドに座るメルローズに、ゆっくりと近づくミディア。
<こいつからの攻撃のほうがはるかに速い・・・>
否が応でも高まる緊張。
<それでも、手刀で首だけは落としてやる!>
メルローズの真ん前で、
スカートの裾を持ち上げ、
静かに膝をつくミディア。
<・・・な、何をする気、この女?>
メルローズの右足に手を添える。
<局所爆破か?!>
ゆっくりとメルローズの足を引き寄せ、靴を脱がすミディア。
手刀に全エネルギーを込めるメルローズ。
メルローズの右足を両手で支え
その親指を口にくわえた。
<!えっ!>
そのなんとも言えない感触に、思わず足を引くメルローズ。
しかし、ミディアの両手で押さえ込まれていて動かない。
<か、噛み付くつもり・・・?!>
ほおばった親指に舌を絡ませる。
<!>
「あっ、あぁ!」
思わず仰け反る。
どちらかと言えば鈍感な部分に、柔らかく生暖かい舌がまとわりつく。
その異様な感覚に動揺するメルローズ。
今すぐ突き飛ばしたい気持ちを、なんとか抑える。
<突き飛ばしたら・・・指を噛み切られるかも・・・いや、それ以上に右足を爆破される!>
全身、緊張で冷や汗が噴出す。
<そんなことをしてみろ、その場で手刀を喉にぶち込んでやる!>
「あっ!、あぁぁ・・・」
跳ね上がるメルローズ。
<こ、こいつ・・・!>
指と指の間にねちねちと舌をはわすミディア。
<・・・催淫効果の波動を発している?>
「うっ・・・」
ミディアの舌に、全身びくびく反応するメルローズ。
<ま、まちがいないわ・・・>
右足に続いて、左足の指。
足を爆破されるかもしれないという極度の緊張と、ミディアから送られてくる淫猥なイメージ。
全ての指を
舌できれいに舐め上げた頃には
メルローズは
全身汗べたの状態で
ベッドに横たわっていた。
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