2012年08月28日

テスペランサ・ドゥ・ココ01

雲一つない紺碧の空の下
真っ白な街並みの大きな広場に
無数の青いアンブレラ。
おしゃれなカフェのテーブルで語らう
二人の女性。

ギルド、スクートデフィエールの長エルニカと
ギルド、デフィエルデルワーレの長サーシャだ。

「ぜひクレッセントにお願いしたいの・・・」と頭を下げるエルニカ。
「なぜ、クレッセントなの?」困惑顔のサーシャ。

「あの娘、人見知りするよのよね・・・クレスだったら顔見知りだし」
「でもどうして、うちなの?
 依頼主である貴女にこんなこと言うのはおかしいかもしれないけど、
 自分の所にも優秀なバスターは、たくさんいるでしょう?」
「教団とギルド連合が、かつてある部隊を組織したの。
 手に負えない重犯罪者を狩る部隊、
 カバリエレ・ディ・ジュスティツィア(正義の騎士)。
 なぜか、うちのミラにもお呼びがかかっちゃって・・・
 断ったんだけど・・・
 今回だけでもいいので、
 どうしてもと頼まれてしまって」
「連合からの人員派遣要請には
 特別な理由が無い限り応じること・・・
 ギルド連合憲章ね」
「そうなのよ、応じるしかないわ。
 それに連合もミラ達には護衛をつけてくれるっていうし、
 連合騎兵団第3部隊」
「連合騎兵団って、ソルジャーじゃない!」 ←注1
「そう」
「かなりのメンバーがそろっているらしいわね。
 だったら、ミラも安心じゃないの?」
「そうとも言えないわ。
 所詮は連合、命がけでミラを守ってくれるとは思えない」
「ん〜、確かにね・・・」
「それに、連合が我々傘下のギルドに
 Sランクの感知能力者を要請してくること事態、不安だわ。
 連合のSランク感知者は、どうしてるの?
 まさか、真っ先に守らなければならない感知能力者を守れず、
 全滅させちゃったわけ?
 いるならいるで、自分たちの感知者は温存しておいて、
 我々の感知能力者を敵の前面に押し立てるつもり?」
「連合なら、ありうることだけども・・・
 ちょっと、考え過ぎじゃないの?」
「そうかもね・・・
 考えれば考えるほど不安になってきちゃって・・・」
「分かるわ。Sランクの感知能力者なんてこの町にも数人しかいないものね。
 貴重な財産だわ・・・
 ミラはとってもかわいいし♪」
「私やギルドのメンバーが。
 ミラの護衛をしたいと言っても断れらるのよ。
 『Sランク感知能力者を派遣してもらうのは、おたくだけじゃないんだ。
  他の3ギルドにも要請している。
  その全てがぞろぞろ護衛を率いてこられたんではたまらん!
  その為に我々の精鋭、連合騎兵団第3部隊を護衛任務につけているのだ。
  我々の精鋭部隊が信じられないのか!』の一点張り」
「誰が言ってるの、それ?」
「こんなこと言うのは、1人しかいないわ。ベイタムよ」
「あ〜ぁ、ベイタムが相手じゃぁ仕方ないわね・・・貴女の苦労が目に見えるようだわ」
「じゃぁ護衛1人だけお願いしたいと頼んでも、
 『1人でもSランクのような上位ランク者は
  連合騎兵団や他の護衛との連携を悪くする恐れがあるから認められん』って言うのよ」
「結局、押し問答の末。
 同伴が許可されたのは世話係1人だけ。
 それも条件付きで、同一ギルド以外の者で、
 なおかつランクA以上はだめだって・・・」
「ん〜、奴の権威主義も徹底しているわね」
「それで、なんとかクレスにお願いしたいのよ。
報酬ランクはS、指名料も倍払うわ」
「報酬ランクS、破格ね♪」
「あと、私からも個人的にSランク報酬を払うわ・・・ だから、お願い」
「えっ、報酬ランク・・・ダブルSってこと?! どうしてそんなに?」
「この話は他のギルド
 当然サービエにも行ってるはずよ。
 全容が判明すれば、すぐにでもクローディッシュもここへ来るわ。
 あそこも虎の子カンナを出さざるを得なくなると思うの。
 ミラと並び評される感知能力者の上に、
 感知系がうちより少ないサービエにとっては
 死活問題よ!!」
「んん〜っと、うち、
 Sランクの感知者っていないんですけど・・・」
ちょっとおとぼけ顔でサーシャが言う。
「デフィエルデルワーレは、
 上位バトル系の半数以上が優れた感知能力者だということで、
 私達の間では納得がいってることよ」
「なによ、それ? ふふふっ、勝手に納得しないでよ♪」
「貴女達、きちんと感知測定してないでしょう?」
「し、してるわよぉ・・・きちんとぉ、適当にぃ・・・?」
「ほぉ〜ら、デフィエルデルワーレは適当にしかしてないんだ^^」
「だって、感知測定そのものが怪しいじゃない。測定員が勝手に判断するだけでしょう?」
「それでも優秀な測定員だったら、各ランクどこに属するかは、ほぼ正確に判定できるのよ」
「でも能力ランクとハンターランクは別物でしょう?」
「そうだけど・・・。 自分の感知能力のランクを知っておくことは大切よ」
「わかったわ、またみんなで測ってみるわ」

改まって、サーシャが聞く。
「・・・で、破格の報酬の理由は?」
「そうそう、話が脱線してしまったわ。
 それで、クローディッシュがここに来ると思うの、いずれ。
 で、私達からの報酬額を聞いて値を吊り上げてくるかもしれないわけ」
「それは、いい話ね♪」
「あ〜っ! ここまで正直に話してるんだから、お願いよ。
 お願いよ、サーシャ・・・この通り」
深々と頭を下げる
エルニカ。



注1:ソルジャーとは戦闘のみに特化した職種。
   調査、諜報、救助、警備、逮捕など問題解決を幅広く生業とするハンター職と比較して、使用されることが多い。
   ハンターやソルジャーの上位ランク者が、バスターと呼ばれる。

----------

「はじめまして。

ミラ01.jpg

 ギルド、スクートデフィエール(鉄の盾)のミラと申します。
 感知担当としてミッションに参加いたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 そして、
 こちらは身の回りの世話をしてくれるクレッセントです」
「クレッセントといいます。
 よろしくお願いいたします」

「ほお、お世話係りね・・・」

教団聖騎士団、ギルド連合騎兵団、そして各ギルドから召集された感知能力者との初会合。
カバリエレ・ディ・ジュスティツィア(正義の騎士)のミッションが始まる。

「サンタンフェロ祭で、重犯罪人であり、
 かつ異端者の組織であるヴィンガドーラが破壊活動を行うとの情報を得た。
 ヴィンガドーラは西ユーロで猛威を振るっている有名な秘密結社だ。
 奴等は我々、教団聖騎士団と連合騎兵団が迎え撃つ。
 カバリエレ・ディ・ジュスティツィアの各員、
 それぞれの担当にて最善を尽くして欲しい」

活動目的と大まかな作戦、そして教団、連合の主だった者の紹介が終わり一旦解散。
細かい作戦は各分室で行われる。

ギルドから召集された感知能力者達は、
その護衛を任務とする連合騎兵団第3部隊とのミーティングに入った。

「身の回りの世話だって?
 なんだいそりゃ?
 ま、その器量からすれば、さしずめ夜のお世話か?」
「ハンターランクは・・・B、となってますね」
書類を見ながら連合騎兵団の1人が言う。
「Bだって?
 ランクBがランクSの護衛でもあるまい・・・
 へっ、戦わずして、ベッドでのご奉仕ってとこかね?」

「世話係りでも護衛でもいいが、足手まといにだけはなるなよ!」

ミラが半泣きになって、一部の失礼な連合騎兵達をにらむ。

「やめな!
 クレッセントと言えば
 デフィエルデルワーレのマドンナだ。
 へたな挑発、ちょっかいは出すな!」
ギルド連合の幹部らしき女性が、騎兵達をいさめる。
制服を着ていないので、連合騎兵団ではないようだ。

「ほう、うわさのデフィエルデルワーレの広告塔か?
 どうりで雰囲気が違うと思ったぜ」
「宣伝部長を戦わせるわけにはいかないな。
 俺たちが守ってやるから、安心していな」

「次!」
部隊長の指示で議事進行。

「ギルド、サービエ(剣)のカンナと申します。よろしくお願いします」
「ヒュ〜、ヒュ〜、こっちも可愛いねぇ♪」
「夜の相手はいるのかい? なんなら俺が・・・」

「やめろ!!
 連合の品位を落とすような発言はこのジュネスが許さんぞ!!」
先ほどの連合幹部だ。

「へ〜〜〜い・・・」
「でもなんで俺たちが警護なんだ?
 第1第2も最前線で敵と戦うんだろ?
 なんで俺たち第3部隊だけが、後方でこいつらの警護なんだよ?」
「あぁ、そうだ、そうだ」
「そこ、何か言ったか?」
部隊長の一喝。

「い・いいえ・・・すいません」

----------

「ジュネス、あれがデフィエルデルワーレのクレッセント?」
「そうよ」
「えっと・・・」
書類をぺらぺらめくりながら言う。
「ハンターランクは・・・Bなんだ」
「オカルト専門らしいわよ」
「オカルト?
 ・・・ってことは、対ゲノム?」
「そこまでは分からないわ。単なる不思議現象愛好家かもしれないし^^」
「対新種だったりして♪」
「勝手な想像はやめなさい、ウエル。
 それに、新種に対抗できる者など
 存在しないわ」
「は〜い」
「でも、連合最強の魔女と謳われるマジリアヌのリポートで
 クレッセントの評価を見たことがあるわ」
「fmfm」
「固体戦力の評価は、とんでもなく高かったわ」
「やっぱ、対ゲノムなんじゃないの?」
「ウ・エ・ル・!」
あきれ顔のジュネス。
「は〜い」
「でも、気にはなるはね。
 貴女は今回第3部隊付きだから、
 クレッセントのこと
 よく見ておいてね」

「了・解・♪」


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テスペランサ・ドゥ・ココ02

「どうぞ、こちらへ」
「あぁ、すまないな」

荘厳な佇まいのアラド大聖堂。
光が放射状に差し込み、聖堂内部の金箔が光り出す。
賛美歌が響き渡り、この世の神秘をかもしだす。

赤い絨毯の廊下。
正面から白い鎧の騎士が歩いてくる。
「こ、これは・・・、ル・ボーン殿!」
ナイトがル・ボーンに歩み寄る。
「おっ? ヘイラーか!
 なんと、そのエンブレムは第3聖騎士団。
 それも団長だな?」
「身に余る大役を仰せつかり身も心も引き締まる思いです。
 これも師匠より心と技と体を鍛えてもらったおかげでございます」
「はっはっは! 俺は何もしちゃいない。君が努力と真心で勝ち取ったんだ。
 よく頑張ったな、ヘイラー。お前は俺の自慢の弟子だ。
 でも、これだけは忘れるな!
 何があっても生き残れよ!!」
「はっ! 肝に銘じます。師匠」

ル・ボーンが来たと聞いて、ぞろぞろつめかける教団関係者達。

「これは、ル・ボーン殿。お初にお目にかかれて光栄です。
 私はこの教区の担当を命じられておりますビルツと申します。 以後ぜひお見知りおきを」
深々と頭を下げる司教。
「あっ、あぁっ、と・とんでもない司教様。
 御冗談はおやめください。
 私は一介の修道士ですよ」
「何をおっしゃる、貴方こそが我らの心の支え。
 主の導きに異をとなえる者達に
 正義の鉄槌を加える我らが勇者。
 今後とも、父と子をお守りください」

----------

「あぁ? どうなってんだ?
 騎士団は同じ武闘派として納得がいくとしても
 司祭だけでなく、司教様までが
 俺に頭を下げに来たぞ」
「前回の戦役の功労でしょうかね?」
「ん〜〜〜、ちょっと大げさに吹聴しすぎたかな^^」

「主だった者のご紹介は全て終わりました。
 後はこの部屋のみです。
 どうぞ・・・」
マリノ神父がル・ボーンを丁寧に案内する。

開けっ放しの扉から中を覗いた。

「うっ、うわっ!」
思わず後ろへ飛び退くル・ボーン。
「な、なぜ?
 なぁんで、あのじゃじゃ馬娘がここにいる?!」
「だ、だれですか?」
「あいつだ、デフィエルデルワーレのクレッセントだ。
 奴はアキアにいるはずだ、なぜこのアラドにいる?」
マリノ神父が急いで書類をめくる。
「彼女は・・・今回、護衛として参加しております。
 正式には、ギルド連合より選抜されたミラという感知者の世話係となっております。」
「護衛だと・・・」
「えぇ。 ハンターランクは・・・Bです」
「び、Bぃ? はぁっ?
 は、はっはっはっ!
 それは、それは、正しい判断だ!
 あのような不敬者、Bでももったいないわ!」

「さっ、どうぞ。こちらへ」
ミーティングルームへ案内しようとするマリノ神父。
「い、いやっ・・・ちょっと、ここはやめておきます・・・」
あたふたするル・ボーン。
「ん?」
「い、いや、特に意味はないのですが・・・ちょっと体調が」
「おぉぉ、それはまずい。 こちらへどうぞ」

ミーティングが終了したようで、去る間もなく参加メンバーがどんどん部屋から出てきた。

「おっ! ル、ル・ボーン殿!!」
「わぁっ!」
そそくさと離れるつもりが、
声をかけられ、とまどうル・ボーン。
「お久しぶりです。いつ、こちらへ?」
「あ、いや・・・今来たばかりでね」
「ミッションに参加されるのですか?」
「あぁ、まぁそのオブザーバーというか助言役としてだがね・・・」
「これは心強い。よく来てくださいました、師匠!」
「師匠、ご無沙汰しております。お元気でしたか?」
ル・ボーンの周りに一気に人だかりができる。

「あらっ?」
ぞっとして思わず
ル・ボーンが声の方向を見る。
<し・しまった!>

「カーディナル・ル・ボーン。 おひさしぶりです」
クレッセントが膝を少し折り、わざとらしく敬意の礼をとる。

<くっ、クレッセント・・・>

「カ・・・カーディナル(枢機卿)だと?」 ←注1

<こいつぅ!>

「枢機卿?」
「な、なんですと?」
顔を見合わせる教団関係者達。
「これはこれは、あのときの元気なお嬢さん。その後もお元気でしたか?」
平静を保とうとするル・ボーン。
「えぇ、元気にしておりましたわ。カーディナル♪」
「あ、あの・・・お嬢さん、私はカーディナルではありませんよ。 だだの修道士です。」
ル・ボーンがあわてて言う。
「あらっ? そうおっしゃってませんでしたか?」
と言って、ル・ボーンに近寄り
「また、ご一緒させてもらうことになるんですか?
 今回は、お・尻・・・
 触らないでね、カーディナル♪」
ちょっといたずら顔で
さらに付け足すクレッセント。

「な・・・なにぃ?」
動揺するル・ボーン。

「お、お尻?」
ジュネスがル・ボーンをにらみながら言う。

「う、うそだぞ!」
なんとか冷静を装うル・ボーン。

「なんですと? お尻?」
「え〜っ、お尻?」
ウエルが大声で言う。

「ル・ボーン殿?」
「これは、いったい?」

「う、うそだってば・・・」
冷静を装えなくなってきてるル・ボーン。

「まっ、カーディナル! 若いお嬢さんのお尻・・・絶対さわらないでくださいよ!」

とどめに、年配の修道女からクギをさされるル・ボーン。


<く・くっそう、クレッセントめぇ・・・>

一人、両手を握り締めるル・ボーン。



注1:カーディナルとは教皇に次ぐ教団で2番目の位、枢機卿。


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テスペランサ・ドゥ・ココ03

「な、なんだと?
 ギルドからSランク感知者を招集しておいて、そのギルドからの護衛を断ったって?
 なぜそんなバカなことをしたんだ?
 これで、ミラがやられてみろ・・・
 あのじゃじゃ馬、どっちに牙を剥くか分からんぞ!」
今回のミッションにクレッセント参加の理由を調べさせていた、ル・ボーン。
「じゃじゃ馬って、さっきのデフィエルデルワーレの?」
「外敵に壊滅させられても名誉の殉教となるが、内部からやられてみろ・・・ただじゃ済まされんぞ!」
慌てふためくル・ボーン。

「内部からって、そんな・・・」
「とにかくここにいる連合のトップを呼んで来い!」

ギルド連合代表執務室。

「なんだと? 来いとはどういうことだ、何様のつもりだ? 連合と教団は共同戦線のはず、対等だ!」
「し、しかし? ル・ボーン殿が」
「誰でもいい! 用があるならそっちから来いと伝えろ!!」
一介の修道士から来るように言われ、激怒する連合のベイタム。

「退魔団のル・ボーンと申します」
呼びつけたル・ボーンがベイタムの執務室を訪れる。

「た、たいま・だん・・・しっ、失礼しました!」
組んだ脚を机の上に乗せていたベイタム。
退魔団と聞き、あわてて飛び退き床に額を押し付ける。
土下座しながら、部下に向かって一喝。
「バカモノ! なぜきちんと伝えない!!」
続けて、ル・ボーンに向かってひれ伏す。
「申し訳ありません。
 こちらの連絡ミスでお呼び立てしてしまって、本当に申し訳ありませんでした」
「かまわん、かまわん。
 それよりも召集したSランク感知者に、
 至急ギルドからの護衛を付けさせろ!」
「し、しかしすでに我々の精鋭を護衛に付けておりますが・・・」
「それが、信用できんと言っているんだ!
 この状態で無理やり連合が召集した感知者に、
 もし戦死者が出たら、お前はどう償うつもりだ?
 Sランクの感知能力者といえば、各ギルドの要、VIPだぞ!
 賠償金は1人あたり1000万レイ(2億5千万円)でも足りないぞ!
 どうするんだ?
 ギルドからの護衛を断った貴様らは
 全員首をくくればそれで済むが、
 肝心の賠償金は払えるのか?!」
「そ、そんな・・・」
ベイタムが真っ青になる。
「まだ間に合う。とにかく、今すぐにギルドから召集した者達に方針変更を伝えよ!
 そこのお前!
 ただちに行って、全員にギルドからの護衛を要請する旨伝えて来い!」
ル・ボーンがベイタムの部下に直接指示する。
「はい!」
急いで部屋を飛び出すベイタムの部下。
「そして各ギルドに至急護衛を要請しろ!
 それからすぐに
 感知者1人あたり5000万レイの保険を掛けろ!
 わかったな!!」
「は、はい・・・早速!」

----------

顔合わせの後の晩餐会。

ル・ボーンの周りには大きな人だかりができている。
「ル・ボーン殿、第3聖騎士団のザイツェルと申します。お目にかかれて光栄です」
「師匠! ビュッフェルトです! 第4聖騎士団所属となりました。
 こんなところでお会いできるなんて感無量です!」
「ル・ボーン殿、同じく第4聖騎士団のフランコと申します。
 ぜひ一度、お目にかかりたいと思っておりました」

「ち、近寄れん><」
「あぁ、オーマ1の剣豪で、退魔団団長だからな」
「オーマ1の剣豪と言えば、バルダークやジュリアスだろ?」
「知らないのか、お前? 彼らの師匠だよ!」
「えっ、え〜っ?!」
「多くの流派があるなかで、ル・ボーン殿はその剣技伝承に広く門戸を開いている。
 だから武闘を目指す多くの修道士や一般信者が一度は入門するんだ。
 教団にも、信者にも彼を師と仰ぐものは多い」
「私もサンレモのとある道場でル・ボーン殿の剣技を見たことがあるが、
 それはすさまじく、圧倒的だった。
 いや、華麗という言葉が一番よく似合うかな」
「その言葉もぴったりだが、師匠に一番似合う言葉は、やはり大剣豪!」
「はい、まさにそのとおり!」
 
ル・ボーンが率いてきた退魔団のメンバーも鼻高々だ。
「すごいな、団長は!」
「あぁ、教団の誉れだ!」
「我々も団長の名誉を汚さぬよう、信仰と己の鍛錬に励もうぞ!」
「おぉぉ!!」

その会場の端。

クレッセントとミラが話している。
ギルド連合のジュネスとウエルがすぐそばで、
話しかける機会をうかがっているようだ。
ジュネスが近づこうとした瞬間、横からカンナが登場。
カンナ01.jpg
両手に料理と飲み物をいっぱい持っている。
「クレッセントさん、ミラさん、どうぞ食べてください」
「カンナ、気を使わなくてもいいのよ」
「そうですよ。一緒に闘う同志じゃないですか?」
「はい、どうぞよろしくお願いいたします」
笑顔で脚を少し折り、礼をするカンナ。
「は〜い、はい。もう100回は聞いてるわ♪」
「ふふふふふふっ」
ミラが可愛い顔で笑う。
「私にばっか礼をしてないで、他の連合諸将にご挨拶しなくていいの?」
「はい、クローディッシュに
 『クレッセントさんから絶対離れないこと』
 って、厳命されていますし」
「あ〜ら、じゃぁ・・・ベッドもつきあってもらおうかしら?」
ミラが大きく息を吸って、クレッセントの腕を引っ張る。
顔は真っ赤だ。
「ふふふっ、冗談、冗談♪」
カンアも下を向いたままだ。

ミラが腕をぐいぐい引っ張る。
見ると、可愛い顔でにらんでる。

「あっ、貴女が先よね。わかってるわよ、ミラ♪」

「ちっ、ちがうわ!!!」
思いっきりにらんでるみたいだが、めっちゃ可愛い。
「そ、そうゆうことを言ってるんじゃなっくて・・・」

<あっ・と、とろけそう・・・>

1人で興奮するクレッセント。


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魔女達の刻
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ベイムート伯爵の怨念
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テスペランサ・ドゥ・ココ
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外伝
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 1:ポロネーゼ婦人 2:エヴァンゼリン 3:妖精の森
 4:伝道 5:美しきオブジェ

白い薔薇の淵まで
中山 可穂
ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。

深爪
中山 可穂
翻訳家のなつめは、人妻・吹雪と激しい恋に落ちる。吹雪の家で逢瀬を重ね、子供の昼寝の間に快楽をむさぼる日々。女同士の恋、家庭を壊すつもりなどなかったのに、会えば会うほど溺れてゆき、愛するがゆえに傷つけあわずにはいられない。

猫背の王子
中山 可穂
自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた―。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主宰する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りが・・・



感情教育
中山 可穂
前世から契りあった恋人はあなたですか?今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?那智と理緒。傷つくことにすら無器用な二人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。

サグラダ・ファミリア
聖家族
中山 可穂
将来を嘱望されながら、ある事件をきっかけに落ちぶれてしまったピアニスト響子。酒に溺れながら孤独に生きる彼女のもとに、かつて恋人だった透子が戻ってきた。赤ん坊を抱いて・・・

屋根裏の二處女
吉屋 信子
寄宿舎を舞台に、二人の“処女”の愛と尊厳を描き上げた吉屋信子の原点というべき小説。現代まで「禁断の書」として秘かに語り継がれた物語の全貌を、今、明らかにする。



花物語 上
吉屋 信子
少女の日の美しい友との想い出、両親を亡くした姉弟を襲った悲劇…花のように可憐な少女たちを繊細に綴った数々の感傷的な物語。世代を超えて乙女に支持され、女学生のバイブルと呼ばれた不朽の名作。

花物語 下
吉屋 信子
女学校中の憧れの的である下級生を思慕する少女、美しく志高い生徒と心通わせる女教師、実の妹に自らのすべてを捧げて尽くした姉…可憐に咲く花のような少女たちの儚い百合物語。

あなたがほしい je te veux
安達 千夏
友人の留美に対する同性愛の欲望を意識しながらも、男友達の小田との肉体関係を愉しむヒロイン・カナ。男とはHできるが、愛せない。女は愛せるが、Hは・・・



ナチュラル・ウーマン
松浦 理英子
女性と女性との恋愛物語。私はこの小説を書いたことを誇りに思う―著者。《定本》映画化決定。’80年代に孤立した輝きを放った女流文学賞作家の畸型的傑作。

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雨の歩道橋で深見笙子と出会った沙霧は、彼女の溌剌とした容姿や、輝くような個性の閃きに接するうち、彼女にほのかな恋情をおぼえるようになる・・・

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最初から、那由多だけは特別だった。一目惚れや運命の相手なんて信じはしないが、この学校の桜の木の下で彼女に初めて会ったとき、私は悟った・・・



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この契りは永遠に…。女が女を娶る。中国雲南の奥深い地で過ごした忘れ得ぬふたりの愛の生活。奇妙な同性婚、傑作長篇小説。

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四人の少女たちが織りなす愛と孤独の物語。資産家の娘だけが入れる特別な学校に「捨てられた」四人の少女たち。閉じた空間で生まれる愛情、執着、嫉妬。濃密で危うい感情の行く先は・・・

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葬式に雇われて人前で泣く「泣き屋」とその好敵手「笑い屋」の不吉な〈愛〉を描くデビュー作はじめ3篇を収録。特異な感性と才気漲る筆致と構成によって、今日の松浦文学の原型を余すところなく示す幻の第一作品集。



私立カトレア学園
乙女は花に恋をする
沢城 利穂
乙女の園、私立カトレア学園の入学式。迷子になって泣いていた、ひなを助けてくれたのは『氷のプリンス』大城翼先輩。男子禁制の乙女の花園でひそやかに咲く、乙女たちの甘くて切ないスイート・ラブ。

ワイルドブーケ
花の咲かないこの世界で
駒尾 真子
自由恋愛が禁止され、結婚する相手も国家によって管理される世界。国王の嫁となるべく定められた美貌の姫君デェリアナと姫のお世話をするメイドのジョーゼットとの素敵な恋愛物語。

ワイルドブーケ
想いを綴る花の名は
駒尾 真子
「大好きな人とずっと一緒にいたい」、そのためだけにすべてを捨てて、見知らぬ世界へと旅立った二人の少女ジョーゼットとデェリアナ。その後の2人に降りかかる事件とは・・・。王道百合小説の第2弾!



偽りの姫は騎士と踊る
ダブル・エンゲージ
渡海 奈穂
父王を家臣に殺され、国を追われたディアナ姫。彼女を支えたのは、幼い頃から忠誠を尽くした女騎士・エフィだった。彼女への想いを募らせるディアナだが…素直になれない姫と誠実な女騎士との百合ファンタジー。

あまがみエメンタール
瑞智 士記
全寮制の小中高一貫校、青嵐女学院。外界から完全に隔離された少女たちの園で、ロリータファッションに身を包む少女・橘地莉子は今日も、ルームメイトである渡会心音の肌に歯を立てる。何年にもわたって続く二人だけの秘密の「儀式」…

PUPPY LOVE
鈴本紅:著 ひびき玲音:絵
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どろぼうの名人
中里 十
私の名前は初雪。もうすぐ15歳になる。美しい古書店店主・川合愛は私を欲しがり、姉は彼女に私を差し出した。川合愛との不思議な生活。飽きられないように、愛し続けられるように。

どろぼうの名人サイドストーリー いたいけな主人
中里 十
私がお仕えする国王陛下は21歳の陸子様。私は陸子さまを愛し、陸子様も、きっと私を愛してくださっている。しかしある日、陸子さまのお側仕えに15歳の美少女緋沙子が登用された…。



君が僕を1
中里 十
昔はどこの商店街にもいたらしい商売繁盛の神様""恵まれさん""が、私の街のショッピングセンターに、復活。今度の"恵まれさん"はなんと中学三年生。気になる…気になる……好きになる?

. (period)
瑠璃 歩月
マフィアへの復讐に燃える女性警官・ビアンカは、警察への復讐に全てをかけるマフィアの手先・ニコラと運命的な出会いを果たす。相容れない者同士が闘いの中で互いを認め、惹かれ合っていく…。

みすてぃっく・あい
一柳 凪
冬休みの女子寮には、4人の美術部員しかいなかった。私たちはひたすらに戯れる―ピクニックをしたり、チェスをしたり、いっしょにお風呂に入ったり。でも2人に告白され、私は選ばなければいけない・・・



ストロベリー・パニック1〜3
公野 櫻子
乙女の聖域に秘められた恋…。シスター・プリンセスの公野櫻子氏が、正統派百合ノベルを華麗に書き下ろし。名門お嬢様学校である聖ミアトル女学園に編入した少女は・・・

クシエルの矢1〜3
ジャクリーン・ケアリー
天使の血をひく人々の国、テールダンジュ。ここでは、愛の営みは神への捧げ物である。少女フェードルは“クシエルの矢”と呼ばれる印をもって生まれ、人には言えない性癖があり、それゆえに数奇な運命をたどる…

蒼穹のカルマ1〜7
橘 公司
空で生き、人を襲う空獣(エア)が住む世界。空獣を狩る機関「蒼穹園騎士団」でカリスマ的人気を集める女騎士・鷹崎駆真。だが世界の平和を守るはずの騎士である彼女には、世界の平和より優先すべきことがあった…
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